新興メーカーの追撃を振り切る、400史上最強馬力に期待
そして何より注目したいのは馬力だ。
1980~90年代の4ストレーサーレプリカ時代は自主規制で59psが上限だった。現在はこの縛りがなく、排ガス規制が数段厳しくなっているが、これを上回ってくるようだ。
ちなみに国内仕様の歴代400ccクラスでは、スズキGSR400の61psが最強(2009年型以降)。昨年10月末に生産終了したCB400SF/SBの56psも当然超えてくるだろう。
後述する他メーカーの400cc4気筒が設計段階で75ps、市販車では68psをマークしており、天下のカワサキが威信を賭けて、これを超えてくることを期待したい。
なおZX-25Rはラムエアを採用しており、さらに数馬力のパワーアップが可能。往年の4ストレプリカZXR400も採用しなかったラムエアシステムのパワーも上乗せできるのだ。また、2段階のパワーモード、3パターンのトラクションコントロール、ABSなどの電子制御はZX-25Rを踏襲するだろう。
もし仮に70ps程度となると、MT-07(73ps)、Ninja650(68ps)など600ccクラスの並列2気筒モデルと同等だ。これらに対し、ZX-4Rは車重の軽さがメリット。ZX-25Rの184kg(国内現行SE仕様)と同程度で収まる上に、高回転まで叩き込む独自の楽しさが味わえるハズだ。
昨年10月にミラノショーで発表されると思いきや、肩すかしに終わったZX-4R。今回アメリカやインドネシアで発表となれば、日本では3月18日開幕の大阪モーターサイクルショーで初公開されるのは確実。CB400SFに代わる400cc直4モデルが入れ替わりで国内デビューし、最強400ccスーパースポーツの一角に君臨するだろう。
勢いに乗るKOVE、その名も「400RR」はウイングまで装備!
ZX-4Rの対抗馬となりえる存在がKOVEの直4スーパースポーツ「400RR」だ。
KOVEは2017年に創業し、中国は重慶に本拠地を置く新興バイクメーカー。中国市場の 300c以上バイク販売で第4位の位置に着けているほか、欧州にはColoveの名称でも知られていた。年間平均販売成長率は40%に及び、2021年には販売台数が2万台を突破した。
さらに2023年のダカール・ラリーに初参戦し、全3台が完走を達成。勢いに乗りまくっているメーカーなのだ。
400RRは、2022年11月に開催された中国・重慶モーターサイクルショーで出品。1年前はエンジンのみ発表され、75psを公称していたが、市販版は68psに変更された。
車体はスチール製トレリスフレームや湾曲スイングアームを採用し、フロントには倒立フォーク&Wディスクブレーキを装備。電子制御系ではトラクションコントロールも装備している。以上の装備はZX-4Rと一致しそうだ。
一方でZX-25Rになく、ZX-4Rも非装備と思われる先進アイテムも投入。カウル横のダクトウイングや、コーナリングABSがそれだ。ダクトウイングは400クラス以下で新型CBR250RRが初採用したが、KOVEの400RRはより大型でレーシーだ。
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