N-BOX首位陥落!? 軽販売6年連続NO.1に潜む死角とは?

N-BOXが売れている秘密はどこにある?

新車販売4年連続日本一 軽販売6年連続NO.1のN-BOXに潜む死角とは?
視界も運転しやすいN-BOXのコクピット。マイナーチェンジでシートバックテーブルを標準装備化。安全性能は後方パーキングセンサー追加でホンダセンシングをアップデートした。ちなみにホンダセンシング・レス仕様はほとんど売れていないので廃止となった 

 N-BOXは多くのユーザーに愛用される人気車だから、好調に売れる理由も豊富だ。まずは直線基調のボディスタイルが挙げられる。単純な形状に見えるが、ルーフとボンネットの寸法的なバランス、ピラー(柱)やウインドウの角度が綿密に計算されている。

 全長と全幅が全車共通の軽自動車なのに、N-BOXはボディが大きくて車内も広そうに見える。この外観の造り込みは、ライバル車のスペーシアやタントを上まわる。

 車内の質感も高い。2代目の現行型は、初代の高人気に基づいて、売れ行きをさらに伸ばすことが開発段階から予想できた。そのために開発費用も十分に投入され、インパネの周辺を上質に仕上げている。

 前席は座面に十分な厚みを持たせ、座り心地も最適だ。路面の振動をシートでも吸収できるため、乗り心地も優れている。

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リアシートは大人2人がゆったりと座れる余裕の広さ。ダークタン×ブラウン/トリコットシートを組み合わせるLターボ・コーディネートスタイル

 全高が1790mm(4WDは1815mm)に達するボディによって車内も広い。現行N-BOXの場合、前後席に座る乗員同士の間隔は1175mmだから、軽乗用車では最長だ。Lサイズセダンでも900mm前後だから、N-BOXは大幅に広い。

 身長170cmの大人4名が乗車して、N-BOXの後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ4つ分の余裕がある。VIPセダンのセンチュリーでも握りコブシ3つ半だから、足元空間の前後方向についてはN-BOXが上まわる。

 実用的には後席の足元にここまでの広さは不要だが、好調に売るためには大切だ。今は「実用的なサプライズ」が求められ、広い! 便利に使えそう! と思わせて、顧客の購買意欲を盛り上げると売れ行きに結び付く。

新車販売4年連続日本一 軽販売6年連続NO.1のN-BOXに潜む死角とは?
燃料タンクを前席下へ移動したセンタータンクレイアウトにより植木などの長尺物も積載可能
新車販売4年連続日本一 軽販売6年連続NO.1のN-BOXに潜む死角とは?
室内高は140cmあるため、子供が立って着替えることもできる

 荷室の広さも重要だ。N-BOXはフィットと同様に燃料タンクを前席の下に搭載したから、荷室の床が低い。路面からリヤゲート開口下端部分までの高さを470mmに抑えた。

 スペーシアの510mm、タントの580mmを下まわり、ハスラーの710mmに比べると大幅に低い。自転車を積む時も前輪を大きく持ち上げる必要はない。

 そしてスペーシアやタントと同様、後席の背もたれを前側に倒すと座面も連動して下がり、大容量の荷室になる。すべてのユーザーが大きな荷物を積むわけではないが、前輪駆動の軽乗用車で最大級の荷室は、先に述べた「実用的なサプライズ」だから売れ行きを伸ばす要素になる。

 燃料タンクを前席の下に搭載したので、後席の座面を持ち上げると、車内の中央に高さが1400mmに達する縦長の空間を確保することも可能だ。開口幅が640mmのスライドドアから、背の高い荷物を積んだり、着替えをする時も便利に使える。

 現行型では走りの満足度も高めた。エンジンなどのノイズは小さく、前述の厚みのあるシートも効果を発揮して乗り心地も良い。軽自動車ながら上質な運転感覚を味わえる。走りは先代型に比べて大幅に向上したから、従来型のユーザーが現行型に乗り替える時の理由になり得る。

 衝突被害軽減ブレーキも現行型はホンダセンシングに進化させた。車間距離を自動制御できるクルーズコントロールや操舵の支援機能は、今では複数の軽自動車が装着するが、最初に採用したのは現行N-BOXであった。

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