トヨタヤリスの快進撃がとまらない。2020年2月の日本国内発売以降売れまくっており、約1カ月後には月販目標(7800台)の約5倍にあたる約37000台の受注が入ったことを発表。
2020年は4,5,7,8,9,10,11,12月と月販台数トップを飾り、車名別年間販売台数ももちろんトップ。特に8月末の「ヤリスクロス」発売以降はコンパクトカーだけでなくSUV市場も席捲している。
なぜヤリスとヤリスクロスはこれほど売れまくっているのか。発売から約1年、その売れっぷりと、売れ行きの傾向を、遠藤徹氏に分析していただいた。
文/遠藤徹 写真/TOYOTA
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■今ヤリスシリーズが売れまくっている!
前身のヴィッツからグローバルで使われている「ヤリス」に改名して新型に世代交代し早くも1年が経過した。2020年8月31日にはSUVバージョンの「ヤリスクロス」が発売になり、ますます快進撃がさらに勢いづいている。
新車の新車の銘柄別販売ランキングでは2位以下を大きく引き離してトップを走り続けている。
これまで軽自動車を含めた新車総販売台数では、(「登録車」でトップになっても)ホンダの軽自動車N-BOXに勝てなかったが、最近では同モデルも抜き、全体でも首位に浮上し、同ポジションを維持続けている。
この2021年3月の登録実績(月販台数)はヤリスシリーズ全体で2万8466台であり、前年同月に比べて116.2%増、つまり2.16倍も急増しているのである。
このうちヤリスクロスは1万2898台で販売構成比は45.3%を占めているから、こちらの貢献度がいかに高いかが理解できる。
とはいえヤリス単独でも1万5568だから前年同月に比べて18.2%増であり、ノーマルヤリスが発売後2年目に入っても引き続き加速状態を維持しているといえる。
■ヤリス売れまくりの要因とは?
プラス要因として上げられるのは「販売力の増強」である。
ヤリスの発売当初はネッツ店の専売であったのが、2020年5月からトヨタ店、トヨペット店、カローラ店も加わり、全トヨタ系列店の併売になったので販売力は約4倍になった。このぶんがまるまるどさっとプラスになっているといえる。
ヤリスのエンジンラインアップは「1LガソリンNA」、「1.5LガソリンNA」、「1.5Lハイブリッド」で、このうち売れ筋になっているのはハイブリッド車。これはシリーズ全体の約60%であり、1.5LガソリンNAが20%、1LガソリンはNA20%となっている。
駆動方式別だと2WD車が80%、4WD車20%といった具合。
グレード別には各パワーユニットとも最上級のG、Zが半分以上となっている。ボディカラーはパールホワイト、シルバー、ブラックの3色で大部分を占める。GRヤリスは3月実績で1235台と10%弱となっている。
ヴィッツではハイブリッドは2WDのみだったのが、新型ヤリスになってからは4WD車も設定され、降雪地方ではこれも大きなプラス要因に含めてもよいだろう。
一方、SUV仕様のヤリスクロスは、パワーユニットが1.5LガソリンNA、1.5Lハイブリッドの2種類で、売れ筋はハイブリッドが60%、ガソリンNA40%という割合。駆動方式は2WDが70%、4WD30%。グレード別だといずれのパワーユニットでも最上級のZが全体の80%程度を占めている。ボディカラーはヤリスと同様の傾向。
納期は人気が高いことに加えて半導体部品の供給遅れがまだ完全に解消されていないので延長気味となっている。ヤリスはガソリンNAが3ヶ月、ハイブリッドは約4ヶ月、ヤリスクロスだとガソリンNAが5ヶ月、ハイブリッドは7ヶ月と、ヤリスクロスのほうが長めに待たされる状況にある。
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