日本の自動車メーカーは4ドアセダンをあきらめてしまったのか? そう思わずにはいられないほど、国産セダンのラインナップは数を減らしている。
トヨタはクラウンを筆頭にカムリ、カローラなどをラインナップし、レクサスブランドにはセダン各車を用意しているものの、日産はスカイラインのマイチェンを実施した以外、フーガやシーマは事実上の放置状態。三菱はセダンから撤退している。ホンダにはレジェンド、アコード、インサイトなどのセダンラインナップがあるが、販売の主流ではない。
しかし、ベストカーは「やっぱりクルマの魅力は4ドアセダンにこそある!」と言いたい。
セダンの魅力を改めて見直して、その存在感を再確認していこう!
※本稿は2021年6月のものです
文/鈴木直也、永田恵一、ベストカー編集部 写真/ベストカー編集部 ほか 撮影/奥隅圭之
初出:『ベストカー』 2021年7月10日号
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■改めて乗って深く納得! スポーティセダンの走りに昂る
セダンが売れないというのは日本だけの話ではなく、世界的にどんどんシェアを落としている。
象徴的なのが「セダン王国」と思われていた北米市場だ。2009年に40%近くを占めていたセダンのシェアは、直近の2019年には22%まで低下。2018年にはフォードがセダンからの撤退を発表するなど、セダン離れに歯止めがかからない。
この「セダン離れ」については、幸か不幸か日本は世界的な先駆者だ。
1996年に31%あったセダンのシェアが、2008年には12%まで低下するなど、もう20年以上前からずーっと続くトレンド。原因は言うまでもなく顧客ニーズの多様化で、SUVを筆頭とする「セダン以外の選択肢」にどんどんユーザーが流れている。
だから、低迷するセダン市場をどうテコ入れするかについては日本のメーカーがいちばんよく知っているし、手を替え品を替え、さまざまな対応策を講じてきた。
しかし、その長い戦いの結果として得られた結論は、セダンの復権はもはや「お手上げ」という現実だ。
だって、日本のセダン最後の牙城と思われていたクラウンですら、豊田章男社長が「今やどこにも聖域なんてない」と言って、SUVへの移行を示唆するご時世ですよ。
トヨタがサジを投げるほど困難な課題、それがセダンの復権というわけだ。
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