あおり運転の加害者にならないための「アンガーマネジメント法」

あおり運転の加害者にならないために! イラッとした時の即効呼吸法

 数年前からあおり運転が社会問題化し、厳罰化されたにもかかわらず、一向に減る気配がみられない。厳罰化されて1年を経過しての摘発件数は実に100件にのぼる。実際、あおり運転をしてしまったり、頭に血がのぼってあおりたい衝動に駆られた経験をした人も多いだろう。つまり、誰しもあおり運転の加害者になり得るということだ。ここでは、あおり運転の加害者にならないためにも、運転中にイラッとした時に行うとすぐに心が落ち着く即効性抜群の「アンガーマネジメント」を紹介しよう。

文/室井 圭、医療監修/伊藤重範(医療法人三九会 三九朗病院 循環器内科専門医・総合内科専門医・医学博士)、写真/写真AC、イラスト/イラストAC

【画像ギャラリー】イラッとした時のアンガーマネジメントをもっと詳しく解説


運転中「ハアハア」したら要注意!

あおり運転の加害者にならないために! イラッとした時の即効呼吸法
無理な車線変更などをされた時に、ハアハアと呼吸が荒くなっている経験をしたこともあるだろう。これがイライラを悪化させる原因

 人は割り込みをされたり、進路を邪魔されるなど、意のままにクルマを運転できないと感じた時、大きなストレスや怒りを感じるものだ。すると、自律神経と呼ばれる神経のひとつである、「交感神経」と呼ばれる神経が刺激されて活発となる。この神経は体を興奮させる働きを持ち、心拍数、血圧が上昇し、それとともに呼吸も浅く、速くなる。

 運転中に他車の挙動を不快と感じた時、「ハアハア」と呼吸が荒くなっている経験をしたことはないだろうか? この呼吸状態となることで、酸素が体の隅々まで行き渡らず脳や体が緊張状態になり、イライラが頂点に達し、自制心がきかなくなってしまうのだ。結果、我を忘れて前のクルマをあおったりしてしまうことに……。

 また、運転中は心身は緊張状態にあり、交感神経が異常に活発になっていることが多いため、休憩なしの長時間運転をすると、よりイライラしやすくなってしまう。そのため、ノンストップの運転は避け、たまに休憩を取り入れることがあおり運転の加害者にならない対策法のひとつと言える。

運転中にイラッとしたら腹式呼吸を

あおり運転の加害者にならないために! イラッとした時の即効呼吸法
神経は互いにバランスを取り合って心身の健康を保っている。運転中は交感神経が昂っているため、イライラしやすくなってしまう 

 心身の興奮状態を収める役割を持つのがもうひとつの自律神経である「副交感神経」。この神経は、リラックスの神経とも呼ばれ、心身の興奮を収めるという交感神経と真逆の働きを持つ。つまり、この副交感神経の働きを優位にすることでイライラの原因となる交感神経を鎮めることができるのだ。

 交感神経を鎮め、副交感神経を働かせることができる唯一の手段が「呼吸」だ。特に、ストレスや怒りの状態を落ち着かせるには深呼吸が有効と言われている。基本的には腹式呼吸がおすすめだ。腹式呼吸とは、吐く時にはお腹を凹ませ、吸うときにはお腹を大きく膨らませる呼吸法。

 ポイントは、最初に息を口から大きく息を吐き出すことだ。次に、鼻から大きく息を吸う。息を吐くのをゆっくりにすればするほど、副交感神経を優位に働かせることができ、血圧や心拍数も落ち着く。 この深呼吸なら運転中でも実践することは可能だ。運転中にイライラしやすい人は運転中に定期的に数回ずつ行おう。

 深呼吸をする時は、窓を開けて換気をして新鮮な空気を取り入れることも忘れずに。

次ページは : 怒りの感情は6秒で収まる