愛車を守れ! 塗装の劣化を防ぐ日常メンテナンス
塗装が傷んでしまえば、最終的にはフレームやボディの金属部分の腐食にも繋がる。劣化を完全に止めることは不可能だが、こまめなメンテナンスで塗装の劣化を食い止めることはできる。ここからは塗装を保護し、ボディカラーの劣化を防ぐためのメンテナンス法をご紹介していこう。
対策1 色褪せ防止の基本はこまめな洗車
紫外線だけでなく、酸性を帯びた鳥の糞や酸性雨を放置すると化学反応を起こしクリア層を傷めることになり、くすみや色褪せにつながってしまう。こまめな洗車は色褪せを防ぐためには必須だ。
また、普段から洗車をすることで、気づかなかった小傷を発見できるというメリットもある。小傷を放置しておくと塗装面に水分などが入り込み、錆が発生して塗装が剥げたりすることもあるので、小傷を発見したら放置せず、補修材などを使用して水の侵入を防ぐようにしたい。
注意してほしいのは、最初に水で細かい汚れを流さないままスポンジで擦り始めないこと。逆に塗装を傷めることになってしまうからだ。
洗車後の水滴を拭き取らずに放置することも厳禁だ。ボディに残った水滴がレンズとなって日光を集め、塗装面が焼けてしまうウォータースポットができてしまう。また、水分が蒸発して残ったミネラル分が堆積して発生するイオンデポジットと呼ばれる現象も塗装を侵してしまう。
ちなみに、夏の炎天下などに洗車を行うと、強い日差しの影響で、ウォータースポットやイオンデポジットになりやすいので、できれば気温のあまり高くない曇りの日に行うのがいいだろう。
対策2 コーティングでクリア層を保護する
紫外線や汚れなどによる劣化からクリア層を保護するためにボディコーティングを行うことも有効な対策のひとつ。コーティング剤は市販されているが、本格的なものになると硬化するまでにそれなりの時間を要するタイプのものが多い。屋外保管の場合は硬化するまでの間、雨に降られないようにしなければいけないので施工のタイミングが難しいということが難点だ。
また、事前に汚れや油分をしっかり除去しておかないとうまく被膜が形成されなかったり、ムラになるといったトラブル発生のリスクもある。
こういったことから、それなりの費用が発生するが、長期間の効果やクオリティを望むのであれば、専門店やプロに任せることでそうした手間やリスクを省くことも選択肢に入れることをお薦めする。
対策3 ボディカバーで紫外線を防ぐ
コーティングで保護したとしても、紫外線や風雨にさらされればコーティングの効果も落ちてきてしまうもの。やはり色褪せ対策で最も有効なのは、塗装をそういった要因から物理的に守ることだ。ベストは、ガレージで屋内保管したり、カーポートで日差しを遮ることだが、それが難しい環境であれば、ボディカバーを使用することをお薦めする。
ただしサイズや形状が合っていないと風などが吹いた時にボディカバーが動いて、塗装面と擦れて傷が付いたりして、色褪せを進行させてしまうので注意してほしい。また、車体やカバー自体に砂などの汚れが付いたまま使用するのも、塗装に傷が付いてしまうので厳禁だ。
また、カバーをかけたまま長く放置すると内部に湿気がこもって逆効果になることもある。特に、年式が古く、塗装が脆くなってしまっている場合、塗装の剥がれやひび割れなど、色褪せよりも深刻な事態を引き起こす可能性がある。いずれにせよ、ボディカバーは定期的に外してボディカバー内部に湿気を溜めないことを心がけよう。
対策4 カラーワックスで応急処置をする
愛車が色褪せてきたように見えても、クリア表層レベルの軽度な段階であればワックスを塗り込み、艶出しすることである程度復活する可能性はある。
カラー顔料が含まれたカラーワックスというアイテムもあり、通常のワックスのように使用するだけで顔料が細かい傷の隙間を埋めてくれる。カラーナンバーを合わせなくても同系統の顔料であれば使用することができるため、手軽に使用できる。
コンパウンド(研磨剤)を使用して劣化した塗装面を取り除くというのも手だが、やりすぎてしまうと傷を付けてしまうので、初心者にはあまりお薦めできない方法だ。
ただし、これはあくまでも応急処置だ、色褪せてしまった塗装を本当の意味で復活させるのは難しい。ということで、何よりも予防が重要となる。人間にもスキンケアが必要なように、お気に入りの愛車の美しさを保つために日々のケアを心がけよう。
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