ストレートなら誰にも負けねー!!!!! プロが選んだ直線番長列伝【10年前の再録記事プレイバック】

■斎藤 聡が選ぶ直線番長No.1 ─── メルセデスベンツCL65AMG V12ツインターボ

6LのV12にツインターボを組み合わせ2トンのボディを軽々と加速させる。凄い
6LのV12にツインターボを組み合わせ2トンのボディを軽々と加速させる。凄い

 直線の速いクルマといってまず思い浮かぶのはCL65AMGだ。

 6LのV12気筒(SOHCエンジン)というだけで強烈に速そうなのに、さらにツインターボを装着。612馬力というパワーもさることながら1000Nm(102kgm)という超絶のトルクを2000~4000回転という低回転域で発生させるモンスターだった。

 高速道路で無造作にアクセルを踏み込むと、次の瞬間から文字どおりシートに体をめり込ませるような加速で際限なく加速していくのだ。加速を始めた瞬間、強烈な加速Gがいきなりかかるものだから一瞬視界がグニャッとゆがむほどだった。

 何より驚いたのは、2トンもあるボディがまるで車重を失ったかのような加速を始め、200km/h超えてもまったく加速が鈍る様子がなかったこと。

ちなみに当時の新車価格3030万円でした
ちなみに当時の新車価格3030万円でした

 超重量物が怒涛の加速をしていく時の独特の感覚は、軽量ボディの加速のよさとはまったく別の迫力がある。その一部にはブレーキを踏んでも絶対止まれないだろうなあ……という不安が速度を増すにつれて倍増していく恐怖にも似た感覚も含まれる。この感覚はベントレー・コンチネンタルGTやアウディS8など重量級ウルトラハイパワー車にも共通する。

 当時はまだESPの完成度も高くなく制御もだいぶ荒かった。そのため山道で不用意にアクセルを強く踏み込むと、加速が始まる前に易々とリアタイヤが横に滑りだす。そしてタイヤが滑り出した次の瞬間ガガガッ……とESPが慌てて作動しブレーキがかかる、そんな具合だった。

 シャシー性能が高くなかったのか、あるいは意図的にユーザーに緊張を与えるような味付けをしていたのか、いずれにしてもパワー(トルク)だけが独り勝ちしたようなクルマだった。

斎藤 聡が選ぶ直線番長ベスト5
斎藤 聡が選ぶ直線番長ベスト5
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■清水草一が選ぶ直線番長No.1 ─── ヴェイルサイドコンバットスープラ

プラモデルになるほど人気だったコンバットスープラ。ガルウイングもクルマ好きの憧れ! 
プラモデルになるほど人気だったコンバットスープラ。ガルウイングもクルマ好きの憧れ! 

 乗ったのはもう20年以上前なので、だいぶ記憶が曖昧になっておりますが、とにかく体感的にはあれ以上の直線番長、ウルトラドッカンターボ車は経験したことがなく、死ぬほど印象に残ってるので、これを一番にさせていただきました。

 当時乗ったヴェイルサイドコンバットスープラは、フルチューンで確か650馬力くらいでした。この数字だけ見ると、今では「それほど凄くない」と感じるかもですが、当時は充分凄かったし、この馬力で後輪駆動ってのも凄かった。

 一番凄かったのは、そのエンジン特性。うろ覚えなんだけど、真のパワーが出るのは5000rpm超えてから。そしてレッドゾーンは6500rpmだったかな? なんせパワーバンドが1500rpmしかない。しかしパワーバンドに乗せると、とてつもないことが起きる。

 俺が乗ったのは箱根ターンパクだったんだけど、乗る前にヴェイルサイドの人に、「オーバーレブに気を付けてください」って念を押されたのね。はいはいわかりましたって言って乗って、2速から全開、タコメーターが5000rpmを超えた時、突如フルブーストがかかってマシンが瞬間移動!

今もそうですが、当時のヴェイルサイドチューンは迫力満点だった
今もそうですが、当時のヴェイルサイドチューンは迫力満点だった

 コンマ5秒くらいでレッドゾーンへ! うひいやべえオーバーレブしそう! 慌ててシフトアップしたけど、ちょびっと超えちゃったかも。

 あの瞬間の瞬間移動的加速Gと、あまりにも狭いパワーバンドのせいで死ぬほどオーバーレブしやすい特性。本当に凄かったっす……。

 あの瞬間にハンドルが切れてたらどんなことが起きるのか? 一瞬で3回転スピンくらいするのか? 試しておりませんが、とにかく一生忘れません、ヴェイルサイドコンバットスープラ。

清水草一が選ぶ直線番長ベスト5
清水草一が選ぶ直線番長ベスト5

(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)

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