ポルシェの[最高傑作]!? [992型GT3 RS]があまりにも完璧すぎる件

■高い安定感と安心感でポルシェの魅力を堪能

スワンネック式の巨大なGTウイングが目を引く
スワンネック式の巨大なGTウイングが目を引く

 加速車線でアクセルを踏み込むと、自然吸気エンジンとは思えないほどの力強さを発揮。4Lで525psという高出力でも、安心してアクセルを踏めるのは、熟成の域にあるリア駆動のトラクションを活かしたポルシェらしさだ。

 加速時において全体的に安定性が高く、車体が浮くような感覚は一切ない。ステアリングにはフロントタイヤの接地感がリニアに伝わり、リアタイヤも路面をしっかり捉えていることがわかる。常にドライバーのコントロール下にある安心感がある。

 旋回性能も高く、コーナリング時は終始安定して、自分がイメージしたラインを外すことはない。先代の991型でも高いポテンシャルを持っていたが、992型のスタビリティの高さは驚異的で、電子制御技術も優秀だが、サスペンション構造が格段に進化していることにも驚かされた。

 最もシビれたのは空力性能だ。首都高の制限速度域でもエアロダイナミクスの優秀さがわかるほど。サスペンションやタイヤの性能だけではなく、旋回中に空力によって姿勢が崩れることなくスムーズに曲がれる感覚だ。

 さらに直進時は速度が高くなればなるほど安定してくれる。公表しているトップスピードが300km/hに届かなかったのは、優れた空力が逆に影響したのだろう。

 ポルシェ911GT3RSは、その時代ごとに最高の技術を投入して作られる高性能モデルだ。サーキット走行を意識した設計が特に魅力的で、その歴史は、ポルシェのモータースポーツへの情熱と、公道でその性能を楽しむための努力の結晶といえる。

 GT3RSを自由自在に操るには高いドライビングスキルが必要だが、日常のドライブにおいてもドライバーをサポートする優れた機能が備わっているため、誰が運転してもポルシェ911の魅力を感じることができるだろう。

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■DVY型水平対向エンジン解説

高コストのパーツを惜しみなく使用し、過給機なしで525馬力を発生させる
高コストのパーツを惜しみなく使用し、過給機なしで525馬力を発生させる

 6代目のGT3RSにも4L自然吸気6気筒水平対向エンジンを搭載。991型も排気量は4Lだったのでエンジンは飛躍的に進化はしていないが、カムシャフトのプロフィールを変更することで5馬力ほど出力を向上させた。

 鍛造ピストンやチタンコンロッドなどのコストがかかるパーツを惜しみなく採用し、過給機なしで525馬力を発生させる。ドライサンプ式の採用で強力な横Gでもオイルが偏ることなく潤滑する。

 最高回転数は9000rpmと高回転型なのが魅力。8500回転で最高出力を発揮する。空力性能が上がったことで最高速度はわずかに300km/hには届かなかったが、トップスピードまで誘う瞬発力はこのエンジンの美点だ。

●2024 Porsche911 GT3RS 主要諸元
・全長×全幅×全高:4572×1900×1322mm
・ホイールベース:2457mm
・車両重量:1450kg(車検証重量1490kg)
・エンジン形式:水冷6気筒DOHC
・総排気量:3996cc
・最高出力:525ps/8500rpm
・最大トルク:47.4kgm/6300rpm
・ミッション:7速PDK
・駆動方式:RR
・サスペンション:F)ダブルウィッシュボーン式 R)ボールジョイント付マルチリンク
・ブレーキ:F)6Pベンチレーテッド R)4Pベンチレーテッド
・タイヤサイズ:F)275/35ZR20 R)335/30ZR21
・0-100km/h加速:3.2秒
・0-200km/h加速:10.6秒
・公表最高速度:296km/h
・車両本体価格:3378万円(税込)

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