1990年代前半は、ベースモデルとは大きくキャラが違うハッチバックが市場に溢れていた。なかでもド肝を抜いた、過激モデル3台を振り返っていきたい!! 嗚呼、懐かしいね~。
文:永田恵一/写真:ベストカーWeb編集部
■令和生まれたの激辛ハッチ
近年のスポーツモデルは300馬力オーバーが当たり前となっていることもあって、「リッター当たり何馬力」というのを考えることはめっきり少なくなった。
しかし、GRヤリスの1.6Lターボは、競技ベース車ということもあって、初期モデルは272馬力でリッター当たり170馬力。最新の進化型モデルに至っては304馬力でリッター当たり190馬力と、冷静に考えるとタービンを替えたチューニングカーのような高出力だ。
GRヤリスのような小排気量で強烈なパワーを出すエンジンは最近ではほとんどないが、1990年代まではそんなエンジンも少なからずあり、ここでは1.6L以下の超ハイパワーエンジンをピックアップしてみた。
【画像ギャラリー】過激な感じがたまらない!! 熱いホットハッチはロマンがあるよね!!!!!(10枚)画像ギャラリー■スーパーチャージャーが付いたヤンチャ仕様
日産のエントリーモデルとなるコンパクトカーだったマーチは、最後となった4代目モデル以外、つまり3代目モデルまでワンメイクレースが行われるなど、入門カテゴリーとなるモータースポーツを支えたモデルでもあった。
特に初代モデルはラリーにも参戦しており、そのベース車となったのが1988年登場のマーチR。一般ユース向けが、1989年登場のマーチスーパーターボである。
マーチRとマーチスーパーターボは、それまでラインナップされていた1L 4気筒ターボを、ハイパワー化とターボラグをなくして、全域でパワフルなエンジンとするためスーパーチャージャーを追加するという単純明快とも言える成り立ちだった。
さらに排気量は国際ラリー参戦の際のターボ係数1.7を掛けて、1.6Lとなるよう、ボアを小さくし、930ccとしている点にはモータースポーツベース車らしさを感じる。
クルマ自体はスーパーチャージャーの追加によりパワステが付かないことに加え、初代マーチに対してオーバーパワーだったこともあり、簡単にまとめる乱暴というかクセの強いクルマだったのは事実だが、面白いと言えば面白いクルマではあった。
【画像ギャラリー】過激な感じがたまらない!! 熱いホットハッチはロマンがあるよね!!!!!(10枚)画像ギャラリー■日産がシビックタイプRに送った挑戦状
1990年代までスポーツモデルとして若者に愛された1.6LのNAエンジン搭載車は、モータースポーツに使われることも多かった。
そのためホンダが1989年にインテグラにVTEC(可変バルブタイミング&リフト機構)付きのB16A型1.6Lエンジンを搭載し、NAでリッター100馬力となる160馬力を達成して以来パワー競争が激化。
トヨタは可変バルブタイミング機構VVT+5バルブの4A-GEで165馬力、三菱もVTEC同様のMIVECを持つ4G92型で175馬力を絞り出した。最終的にはホンダが1997年登場のEK9型初代シビックタイプRのB16B型が185馬力に達し、このクラスのパワー競争は勝負が付いたかのように見えた。
しかし勝負はまだ終わっておらず、初代シビックタイプRの登場直後に伏兵として勝負を挑んだのが5代目パルサーに追加されたVZ-R N1である。
このときパルサーには、当時のシビックのSiRに相当するVZ-R(VTEC同様のNEO VVL付きのSR16VEを搭載し175馬力)が加わったのだが、VZ-Rと同時にモータースポーツ参戦ベース車として限定200台でVZ-R N1も追加。
VZ-R N1はモータースポーツ参戦ベース車ということでクルマ自体にそれほど手は加えられていなかったが、エンジンは専用のシリンダーヘッドや吸排気系、各パーツのバランス取りやポート研磨といったメカニカルチューンが施された。
結果、当時のインテグラタイプRに匹敵する200馬力を1.6Lで達成。そんな高回転型エンジンだけに高回転域をキープできるようクロスミッションが搭載されていた。
ただ、VZ-R N1はノーマル状態の完成度、モータースポーツでの成績ともにシビックタイプRに及ばなかったのも事実ではあった。しかし、日産が本気でシビックに挑んだということは記憶に留めておきたい。
【画像ギャラリー】過激な感じがたまらない!! 熱いホットハッチはロマンがあるよね!!!!!(10枚)画像ギャラリー
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