【そっけない無塗装ウレタンバンパーをなぜ使う?】コストの安さと利点は?

トヨタのプロボックス/サクシードの3分割効果

トヨタの商用車、プロボックスDX
トヨタの商用車、プロボックスDX
プロボックスのFグレードはボディ同色バンパーとなる
プロボックスのFグレードはボディ同色バンパーとなる

 トヨタの商用モデルで注目したいのは、プロボックス、サクシードの特徴的な「3分割式バンパー」だ。

 トヨタらしい“おもてなし”として、修理費を抑えられることを狙って、フロントパンバーは中央と左右コーナーで3分割され、廉価モデルのDXグレードなどのコーナー部の黒い部分は「塗装されていないPPの素地」(トヨタ広報)とのこと。

 価格については調べを進めると、コーナー部分は片側で約6000~7000円のようだ。

 なお、前後バンパーがボディ同色塗装となる上級グレードの設定価格は1万6500円となっているから、価格面で買い得感があることは間違いない。

 他のトヨタの商用モデルを見ると、タウンエース/ライトエースのDX(上級のGLにも設定)では、インドネシアのダイハツ工場で2008年から生産、日本に輸出されているが、フロントに大型の無塗装の一体成型バンパーを採用されている。

 想像できるのはコスト抑制とともに、生産面での作りやすさにも配慮されていることだ。

細かい設定を施すダイハツ

ハイゼットカーゴでは、フロントのバンパー中央部分とサイド下部の“コーナーピース”と呼ばれる部品のみ“黒色・材着”の非塗装品としている。メーカーオプションでボディ同色塗装品も選べる
ハイゼットカーゴでは、フロントのバンパー中央部分とサイド下部の“コーナーピース”と呼ばれる部品のみ“黒色・材着”の非塗装品としている。メーカーオプションでボディ同色塗装品も選べる

 続いて軽自動車の商用車に目を向けてみよう。ダイハツの商用軽であるハイゼットカーゴ(乗用はアトレーワゴン)について、ダイハツ広報に聞いてみた。

 回答としては、現行ラインナップで無塗装(材着でもない)バンパーの使用例はあるかといえば、「ハイゼットでは使用しておりません」とのこと。リアバンパーについては、ハイゼットカーゴはカラードバンパーのみとされている。

 フロント中央部(バンパーグリルとでも呼ぶべきだろうか)については、「バンパー中央部のグリルは黒色・材着品の別体部品となっておりますので、塗装は施しておりません。上記についてはダイハツのラインナップすべてに当てはまります」と回答を得た。

 ハイゼットカーゴについては、前後ともにバンパー全体を黒色・材着としている仕様はなく、フロントバンパーの外側部分に“コーナーピース”呼ばれる、交換可能な黒色の材着パーツを設定しており、メーカーオプションでボディ同色塗装品も選べる。

 なお、乗用軽のウェイクの商用車バージョン(ハイゼットと差を付けるために後席を省いた前席2座のみの仕様)の「ハイゼットキャディー」では、グリル周りに“原着・無塗装”品を与えて、コストダウンに対応している。

塗装バンパーを拡大するスズキ

エブリイは商用車ながらすべてのグレードが塗装バンパーを採用している
エブリイは商用車ながらすべてのグレードが塗装バンパーを採用している

 ダイハツがスバルにハイゼットカーゴをOEM供給するように、スズキの商用軽自動車であるワンボックスのエブリイは、三菱ミニキャブ/日産NV100クリッパー/マツダスクラム/三菱ミニキャブとして、幅広くOEM供給元のモデルとして君臨している。

 面白いのは、エブリイに関しては、全グレードで前後バンパーは塗装が施されているいっぽうで、商用軽のアルトバンでは“材着”の無塗装バンパーを一部採用している。

 ただし、単純に黒バンパーのみを用意するのではなく、数が出るホワイトのボディに合わせて白色の原着製品を設定するなど、フロントバンパーには塗装済みと材料塗装(材着)を個別に設定されている。

 ちなみに現行ジムニーの無塗装・材着バンパーの部品代は、フロントバンパーが3万6000円(XC、価格は税抜)、1.5Lエンジンを搭載する登録車のジムニーシエラが3万8000円と、塗装バンパーがないため比較できないが、けっして安くないという印象を受ける。

樹脂製バンパー、フェンダーを採用するジムニーシエラ
樹脂製バンパー、フェンダーを採用するジムニーシエラ

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