ホンダ・日産連合への合流はせず!? [三菱自動車]はなぜ3社統合に慎重なのか?

海外で売れている三菱車はどれ?

高みの見物!? ホンダ・日産連合への合流はせず!? [三菱自動車の強気]にはワケがある
三菱自動車 エクスパンダー。販売開始は2017年だが、2021年にはマイナーチェンジが行われて写真の顔つきになった。東南アジアでバカ売れしている車種

 では、三菱自動車のどのモデルが海外、特に東南アジアで好調なセールスを記録しているのか?

 最後は東南アジアで売れている三菱車を紹介する。

●エクスパンダー&エクスパンダークロス

 2017年から東南アジアで製造・販売が行われているMPV(多目的自動車)がエクスパンダー。

 整備された道路はもちろん、まだまだ不整路面も多い東南アジアの道路事情で本領を発揮するMPV(SUV)の人気はメーカーを問わずだが、とりわけこのエクスパンダーの人気は高い。

 製造はインドネシアで、地元インドネシアをはじめ東南アジア諸国では大ヒットモデルになっている。

 エクスパンダーの人気のほどは、2019年に追加された上記モデルのエクスパンダークロスも同様にヒットモデルとなっていることからも裏づけられる。

 エクスパンダーはオーソドックスな構成のMPVだが、しっかりとした作りが東南アジアでのニーズにマッチし、現在では三菱自動車にとって東南アジア戦略の最重要モデルになっている。

 2024年にはハイブリッドモデルのHEVも追加されるなど、東南アジアにおけるエクスパンダーの快進撃はまだまだ続きそうだ。

●トライトン

 道路事情もあって日本ではあまりポピュラーではないが、開放型の荷台を持つピックアップトラックは世界各国で人気のカテゴリーだ。

 三菱自動車のトライトンはそのピックアップトラックであり、エクスパンダー同様に東南アジアで手堅い人気を保っている。

 トライトンの初代モデルが登場したのは2005年で、4WDを採用するタフなモデルとして、日本に先行してタイで販売が開始された。

 2014年には2代目トライトンがデビューし、このモデルも東南アジアで人気を集めたものの、初代の販売台数がふるわなかった日本国内での販売は見送られている。

 3代目の販売開始は2023年で、もちろんタイをはじめとする海外展開が中心になるが、この3代目に関しては2024年から日本での販売も行われている。

●ミラージュ

 ここまで見てきたエクスパンダーとトライトンはオフロードも走れるモデルだが、実はコンパクトロードカーのミラージュも東南アジアでの人気が高い。

 ミラージュは1978年に初代が発売された歴史のある車種だが、当初は4ドアセダンとハッチバックでの展開だった。

 そして2000年にはいったん製造・販売が打ち切られ、2012年にコンパクトカーとなって復活した。

 この6代目ミラージュは全世界に向けた車両がタイの現地法人で製造されることになり、“地元”のタイを中心に東南アジアでの人気を集めている。

 そもそも東南アジアでの三菱自動車には高級車メーカーのイメージがある。

 これは長年に渡る三菱自動車の実績が培ってきたものであり、ミラージュも高級MPVやピックアップトラックを販売する三菱自動車が作ったコンパクトカーと認識されている。

 東南アジアでの三菱自動車に対する信頼感は抜群で、それが街乗り用のミラージュ人気にも結びついているといえる。

 三菱自動車がホンダ・日産の経営統合に合流しないのは、東南アジアでの強みを失いたくないという考えが理由のひとつになっているのは明白だ。

 その選択が最終的にどのような結果に結びつくのかは神のみぞ知る状態だが、三菱自動車のように独自路線を進むメーカーが貴重な存在になっているのは間違いなく、メーカーの個性を残すという意味でもその路線を貫いてもらいたい。

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