事故件数の差 実に約57倍!!! 「夜間は基本ハイビーム!」にまつわる「違和感」と「正解」を紐解く【ベストカーアーカイブス2013】

■事故件数の差は約57倍も!

原付以上運転者のライト点灯有無別交通事故の発生状況。※「昼」は夕暮れにかけた時間帯や、雨、霧などの状況での走行の場合(H24・警察庁のデータより)
原付以上運転者のライト点灯有無別交通事故の発生状況。※「昼」は夕暮れにかけた時間帯や、雨、霧などの状況での走行の場合(H24・警察庁のデータより)

 ハイビーム走行が徹底されない現状があるいっぽうで、交通事故件数で見るとハイビーム走行の重要性が如実に表われている。上の警察庁のデータでもそれは明らかだ。

 夜間、ロービーム走行時における交通事故発生件数は、一般道と高速道の合計で年間15万2156件。ハイビーム走行時は2671件だから、約57倍の発生件数になる。冒頭で「事故件数の差が歴然」と述べたのはこのことだ。

 ちなみに昼間(雨や霧などの状況も含む)の場合は約45倍の発生件数と、こちらも凄い差だ。

 “ハイビーム走行”を啓蒙し続ける茨城県警の今年のデータでは、ロービーム走行時に起こした事故のなかでハイビームに切り替えていれば事故を回避、あるいは軽減できた可能性があるのは実に69%。

 「ハイとローをいちいち切り替えるのが面倒」という意見もわかるが、この高い数値を見ればそうも言ってられないのではなかろうか。

 それら点灯方法の違いによる事故にリンクする話だが、JAFが先日行った「視認性を検証する走行テスト」が実に興味深いので最後に紹介しよう。テスト方法は、運転歴20年以上の30~50代の男女5人が、80km/hと100km/hで夜間のテストコースを走行。

 コース上に置かれた障害物の手前でブレーキのみで停止できるか!? 何m手前で停止できるか? これをハイビームとロービームの違いで検証するというものだ。

上の結果のように、80km/h走行時、ハイビームの場合は平均82m手前でクルマは停止したが、ロービームの場合は平均5.6m手前で停止とその差は歴然! ハイとローの視認性の違いがこんなにもあるとは驚きだ!
上の結果のように、80km/h走行時、ハイビームの場合は平均82m手前でクルマは停止したが、ロービームの場合は平均5.6m手前で停止とその差は歴然! ハイとローの視認性の違いがこんなにもあるとは驚きだ!

 結果は上表にもあるが、ロービームで100km/h走行の場合、5人中4人が障害物にぶつかりその先で停止するなど、ロービーム走行の危険性とハイビーム走行の安全性が改めて証明されたことになった。JAFでは、適切で積極的なハイビームの使用を今後も呼びかけるそうだ。

■まとめ

「切り替えが面倒」という実態はあるが、警察庁の事故データなどを見ても“ハイビームが基本”を徹底すべきである!

基本ハイビームで安全走行! 山道でも都会の道路でも、高速道路でも、どんな道でも積極的にハイビームを使い、ロービームへの切り替えをこまめにやることが大切だ
基本ハイビームで安全走行! 山道でも都会の道路でも、高速道路でも、どんな道でも積極的にハイビームを使い、ロービームへの切り替えをこまめにやることが大切だ

(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)

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