■事故件数の差は約57倍も!
ハイビーム走行が徹底されない現状があるいっぽうで、交通事故件数で見るとハイビーム走行の重要性が如実に表われている。上の警察庁のデータでもそれは明らかだ。
夜間、ロービーム走行時における交通事故発生件数は、一般道と高速道の合計で年間15万2156件。ハイビーム走行時は2671件だから、約57倍の発生件数になる。冒頭で「事故件数の差が歴然」と述べたのはこのことだ。
ちなみに昼間(雨や霧などの状況も含む)の場合は約45倍の発生件数と、こちらも凄い差だ。
“ハイビーム走行”を啓蒙し続ける茨城県警の今年のデータでは、ロービーム走行時に起こした事故のなかでハイビームに切り替えていれば事故を回避、あるいは軽減できた可能性があるのは実に69%。
「ハイとローをいちいち切り替えるのが面倒」という意見もわかるが、この高い数値を見ればそうも言ってられないのではなかろうか。
それら点灯方法の違いによる事故にリンクする話だが、JAFが先日行った「視認性を検証する走行テスト」が実に興味深いので最後に紹介しよう。テスト方法は、運転歴20年以上の30~50代の男女5人が、80km/hと100km/hで夜間のテストコースを走行。
コース上に置かれた障害物の手前でブレーキのみで停止できるか!? 何m手前で停止できるか? これをハイビームとロービームの違いで検証するというものだ。

結果は上表にもあるが、ロービームで100km/h走行の場合、5人中4人が障害物にぶつかりその先で停止するなど、ロービーム走行の危険性とハイビーム走行の安全性が改めて証明されたことになった。JAFでは、適切で積極的なハイビームの使用を今後も呼びかけるそうだ。
■まとめ
「切り替えが面倒」という実態はあるが、警察庁の事故データなどを見ても“ハイビームが基本”を徹底すべきである!
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)
【画像ギャラリー】事故件数の差 実に約57倍!!! 「夜間は基本ハイビーム!」にまつわる「違和感」と「正解」を紐解く(7枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方モノを照らせばよく見えるなぞ当たり前の話であって
暗くて見えない事と、まぶしくて見えない事を比較したデータを取らなければ意味がないでしょう
太陽で照らされる昼間はよく見える、太陽を直視するとまぶしいそれくらい違う話
西日の差し込む日は前が見えない、ハイビームで見えない等の状況データを集めないと比較根拠になりえないのです。