カリキュラム変更による弊害
今回のMT免許のカリキュラム変更について、かつて指定自動車教習所で指導員として運転指導を行っていた筆者は「指定自動車教習所の重要な役割である『安全な運転者の育成』ができなくなってしまうのでないか?」と感じた。
そもそも、指定自動車教習所は、安全な運転者を育成するための教育施設だ。基本的な運転操作から応用走行(路上教習)まで、自動車を安全に運転するために必要な知識や技能の教育を一貫して行うために存在している。
AT車が普及し、AT限定免許の取得者が7割を超えたとはいえ、MT車及びMT免許を必要としている人は一定数いる。
大多数は新しいカリキュラムでも影響はないかもしれないが、MT車で路上走行(応用走行)をしたことがないMT免許取得者が増えた場合、免許取得後にMT車で路上運転を練習する時間を別途作らなければならなくなる可能性があるだろう。
新カリキュラムへの変更は、効率を求める時代の流れなのかもしれないが、AT車とMT車の両方が流通している現時点では改悪といえるのではないか。
●免許に関するデータ
○AT免許とMT免許比率
・ATが75%前後(2024年)
○普通免許新規取得者数
・108万2726人(2023年)
○免許取得料金
・30万~40万円(通学)
・25万~40万円(合宿)
・5500円(仮免時)
・5400円(本免時)
※取得時講習受講料の1万5400円が必要になる

















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