【続々と失墜!! なぜ手を染める!?】北米重視になった名門車と売れなくなる事情


■日本投入の遅れが悪循環を加速させる

 こうなるとホンダの「シビック」「アコード」「CR-V」。日産「スカイライン」、スバル「レガシィ」などは、ますます北米中心の海外指向を強めていく。

 アコードセダンは、1993年登場の5代目で3ナンバー車に拡大したら日本での売れ行きが下がり、1997年の6代目で再び5ナンバー車に戻した。しかし、この時点でホンダの売れ筋はオデッセイやステップワゴンに移り、販売の回復は望めず2002年発売の7代目では、海外仕様と共通のボディを使う3ナンバー車に戻った。

 そして今では、各メーカーのセダンは、日本国内で売る気を失っている。例えばアコードは2020年2月20日にフルモデルチェンジを行ったが、北米では2017年に新型が発売されていた。日本では2年半も遅れて登場したのだから、もはや新型車とはいえない。

 レガシィも2019年7月に新型の生産を北米で開始したが、日本では今でも旧型を売り続けている。

2020年2月に発売された10代目となる新型アコード。北米では2017年に発表、2018年には中国でも発表されており、新型といわれてもピンとこない……というファンの声も聞こえてくる。モデルチェンジ前(9代目)の2019年累計販売台数は1056台だった
2019年2月のシカゴショーで公開された新型(7代目)。 スバル・グローバル・プラットフォーム を採用したボディは、全長4840× 全幅1840 × 全高1500mmとなった。6代目の2019年の累計販売台数は、アウトバックが3875台、B4はラインナップ中最下位の1149台

 今日のクルマは、フルモデルチェンジを行うと、衝突被害軽減ブレーキの性能やボディの衝突安全性を必ず進化させる。レガシィも、新型では新しいプラットフォームを使う。そうなると、日本におけるフルモデルチェンジが遅れると、その間は海外仕様に比べて危険なクルマを売ることになってしまう。

 多少の時間差は仕方ないとしても、アコードの2年半は開きすぎだ。レガシィも北米で新型の生産を開始したあとの2019年9月に、日本仕様は一部改良を実施した。そうなると今後しばらくは現行型を売る。スバルの販売店では「次期型レガシィは、日本では2020年の秋にデビューすると思うが、今のところメーカーから日程は聞いていない」という。つまり新型レガシィの発売も、海外に比べて少なくとも2年間は遅れる。

 以上のように、シビック、アコード、CR-V、スカイライン、レガシィなどの売れ行きが低迷する背景には、複数の理由があった。ミニバン/コンパクトカー/軽自動車の好調もあって、新車販売に占めるセダン比率が下がり(今は軽自動車が37%でセダンは9%)、日本のユーザーとは親和性が低い海外向けを国内導入するようになってしまった。発売時期もアコードやレガシィのように海外に比べて遅れる場合があり、国内で発売した時は古くなっている。

■名門車復活のために求められるメーカーの意識改革

 さらに宣伝や販売促進も消極的だ。例えば、ホンダは2017年7月にシビックを国内で復活させたが、この時には先代フィットがマイナーチェンジを行い(2017年6月)、N-BOXの現行型へのフルモデルチェンジもあり(同年8月)、さらにステップワゴンとシャトルのマイナーチェンジも重なった(同年9月)。販売店が多忙に陥ったから、この時期にシビックを復活させても、十分な販売力を投入できないのは当然だった。

 時期が悪かった割に堅調に売れたからよかったが、タイミングを選ぶべきだ。新型車が少ない時期を見計らって発売して、例えばシビックとユーザーが一緒に映っている懐かしい写真を募集するとか、中高年齢層のユーザーが「もう一度シビックに乗ってみようか」と思わせる仕掛けが必要だった。

 先に挙げた車種は、いずれも今の時代に販促力が弱いから売れていない。それを日本でも売ろうするなら、最小限度の配慮をすべきだ。シビック、アコード、スカイライン、レガシィなどは、すべて日本のユーザーに愛用され、育てられて世界に羽ばたくことができた。その経緯を忘れ、日本のユーザーに海外よりも危険なクルマを売るような真似をしてはならない。

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