愛車とじっくり向きあう好機 ステイホーム中にやっておきたい! 「クルマを長持ちさせる洗車とメンテナンス」

内装の掃除とクリーニング

 ボディがキレイになったら、お次は内装だ。日頃は気付きにくいが、よく見るとダッシュボードにはホコリがうっすら、フロアマットには小石や枯れ草、砂ぼこりなどが溜まっているものだ。

 ダッシュボードはボディ同様、濡らして絞ったセーム革などで拭いてホコリを落とし、ウインドウの内側も拭いてやろう。

 禁煙車であっても、意外とウインドウ内側も汚れているもので、拭くと視界がクッキリするほど変わることもある。フロアマットは外して掃除機でホコリを吸い出し、マット周辺のカーペットも掃除機をかけよう。

 シートも乗り降りや走行中の振動で着衣とシート表皮が擦れ、またシート内部のクッションと表皮の摩擦によってもホコリが発生する。

 それらはシートの表面や内部に蓄積されているが、乗り降りの旅に舞い上がり、ダッシュボードなどに降り積もるのだ。

 フロアマットに落ちた靴裏の土ぼこりも同様で、車内は知らず知らずにホコリっぽくなってしまっている。布団叩きでシートを叩きながら掃除機でホコリを吸い出してやると、シートがフワフワになって座り心地も向上する。

なお、シートを叩いて出たホコリでダッシュボードもホコリまみれになるので、ダッシュボードなどを拭く前にシートのホコリを叩いて追い出そう。

 シート表面の汚れや臭いが気になるなら、泡状のシートクリーナーを使ってシートを洗い、濡れタオルで拭き上げる。

 内装の殺菌や臭い取りがしたいなら、バルサンタイプの消臭剤もある。手指の殺菌用に使う次亜塩素酸ナトリウム水のスプレーは、薄めた漂白剤だけに、内装材の変色を引き起こす可能性が高いからあまりお薦めできない。

 プラスチックのメッキ仕上げにも変色を及ぼす可能性がある。またアルコールスプレーもプラスチックには、あまり良くない。

 もし雑菌などが気になるなら、表面はウエットティッシュかスチームクリーナーで殺菌するのが、最も合理的だろう。

タイヤホイールの汚れ落とし&空気圧

 クルマにとって最も大事なパーツであるタイヤと、それを車体に装着するホイールも洗車時には洗って、ついでに軽く点検しておきたい。釘やネジなどが刺さっていないか、変なキズなどがないか、摩耗状況などチェックする。

 タイヤはボディ同様、シャンプーか水で洗ってやる。タイヤワックスは塗らなくても汚れが付いていなければ問題ない。

 ホイールにはディスクブレーキのローター摩耗による鉄粉が付着するので、鉄粉クリーナーなどのケミカル剤で落としてやろう。鉄粉を放っておくと、塗装に食い込み、錆が発生して塗装面を傷める。

 また今はタイヤの空気圧にも気を付けるべき季節だ。GWは天気によって気温が大きく上下しやすい時期でもある。1週間で最高気温が10℃くらい上下することもザラだ。

 そんな時期はタイヤの空気圧も変化しやすく、予想外に低下していることもある。燃料給油の時に、ガソリンスタンドで空気圧をチェックして適正値に調整するとともに、乗り味からくるイメージと実際の空気圧に差がないか確認しておくことだ。

タイヤの空気圧は約1カ月で20~30kPa(実測値)は確実に低下するという。指定空気圧は180~200kPa程度が一般的だったが最近では230~270kPaのクルマも出てきた。1カ月に1回はタイヤの空気圧をチェックしたい
タイヤの空気圧は約1カ月で20~30kPa(実測値)は確実に低下するという。指定空気圧は180~200kPa程度が一般的だったが最近では230~270kPaのクルマも出てきた。1カ月に1回はタイヤの空気圧をチェックしたい

エンジンオイル、クーラントなど液体系の劣化をチェック

20°を超えるこの時期になるとエアコンを頻繁に入れる機会が多くなる。クルマ初心者は、クルマの下から液体が出ているのを見てエンジンからのオイル漏れや冷却水が漏れているのではないかと勘違いするケースがあるがこれはエアコンから出てきた水。もしこの水が無色透明ではなく、緑色や赤色だったら冷却液(ロング・ライフ・クーラント:LLC)の漏れだ。漏れやすい箇所にはラジエター本体、ラジエターホース、ヒーターホース、ウォーターポンプなどがある
20°を超えるこの時期になるとエアコンを頻繁に入れる機会が多くなる。クルマ初心者は、クルマの下から液体が出ているのを見てエンジンからのオイル漏れや冷却水が漏れているのではないかと勘違いするケースがあるがこれはエアコンから出てきた水。もしこの水が無色透明ではなく、緑色や赤色だったら冷却液(ロング・ライフ・クーラント:LLC)の漏れだ。漏れやすい箇所にはラジエター本体、ラジエターホース、ヒーターホース、ウォーターポンプなどがある

 クルマの点検は、タイヤとブレーキの摩耗、そして液体とゴム類の劣化具合のチェックが基本だ。

 エンジンオイルの量と汚れ具合は、ディップスティックが備わっているクルマであれば、スティックを引き抜いて付着しているオイルをウエスで拭えばオイルの汚れ具合が、再びエンジンに挿して抜けばオイル量が判定できる。

ディップスティックと呼ばれる長い棒をエンジンから引き抜き、オイルを拭き取ってからもう一度差し込んで、再び抜くことでオイルの量と汚れがチェックできる
ディップスティックと呼ばれる長い棒をエンジンから引き抜き、オイルを拭き取ってからもう一度差し込んで、再び抜くことでオイルの量と汚れがチェックできる

 クーラント(冷却液)は、LLC(ロングライフクーラント)なら2年ごとの交換が必要だが、スーパーLLCという最長のモノだと新車から11年20万Km(ホンダのスーパーLLC)は交換不要というロングライフタイプも普及している。

 しかし使用期限の間は劣化しない、というのではなく、問題なく使える性能を確保しているというだけだ。

 したがってリザーバータンク内のLLCを目視して、明らかに色が濁っている、油が浮いているなどの異常があったら、ディーラーや整備工場に点検整備を依頼した方がいい。

 LLCの色は緑や赤があるが成分は一緒。 ピンクや青のクーラントはスーパーLLCと呼ばれ、従来のLLCよりもさらに長寿命タイプの冷却水となっている
LLCの色は緑や赤があるが成分は一緒。 ピンクや青のクーラントはスーパーLLCと呼ばれ、従来のLLCよりもさらに長寿命タイプの冷却水となっている

 ブレーキフルードの量や汚れ、そして油圧式パワーステアリングの場合はパワーステアリングフルードの量や汚れ具合は、リザーバータンクの蓋を開けてチェックする。

 ブレーキフルードが減っている場合は、それだけブレーキパッドが減っているということだ。

 ブレーキパッドの摩耗具合は、ジャッキアップしてタイヤホイールを脱着する必要があるため、初心者にはややハードルが高い。安全にジャッキアップできる環境(場所と道具)が揃ってからチャレンジしよう。

ブレーキフルードのチェックは、ブレーキリザーバータンク内の液量が規定の範囲(MAXとMINの間)にあるかを点検。 ブレーキ液の減りが著しい時は、ブレーキ系統からの液漏れやブレーキパッドなどの摩耗が考えられるので整備工場へ依頼して原因を突き止めよう
ブレーキフルードのチェックは、ブレーキリザーバータンク内の液量が規定の範囲(MAXとMINの間)にあるかを点検。 ブレーキ液の減りが著しい時は、ブレーキ系統からの液漏れやブレーキパッドなどの摩耗が考えられるので整備工場へ依頼して原因を突き止めよう

 年間を通して、バッテリー上がり(過放電)が、JAFの出動回数1位となっているので、バッテリーについても液体であるバッテリー液の状態をチェックしたい。

 充電状態や液量が分かるインジケーターがついているバッテリーなら、覗き込むだけでバッテリーの健康状態が分かる。

 最近は補水不要のバッテリーが多いが、それで液量不足となっているようならそろそろ寿命なので、遠出する前にはバッテリー交換を考えるべきだろう。

バッテリーの保証期間は一般補水タイプ/2年2万km、メンテナンスフリー/3年6万km、ハイスペックタイプ/3年10万km、3年無制限、アイドリングストップ専用/18ヵ月または3万km、24ヵ月または4万km。バッテリーにはさまざまな種類があるため、上記は目安としてください
バッテリーの保証期間は一般補水タイプ/2年2万km、メンテナンスフリー/3年6万km、ハイスペックタイプ/3年10万km、3年無制限、アイドリングストップ専用/18ヵ月または3万km、24ヵ月または4万km。バッテリーにはさまざまな種類があるため、上記は目安としてください

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