2026年3月、日産はタイのバンコクで改良型の「キックス」を発表しました。従来型をベースとしながらも、内外装の質感や先進性を大幅に引き上げ、装備面も強化するなど、非常に完成度の高い仕上がりです。日本では2026年夏にも新型キックスの登場が期待されていますが、現地で実車を目の当たりにすると、「むしろ日本にはこちらのほうが必要なのではないか」と感じました。
文:吉川賢一/写真:NISSAN
【画像ギャラリー】安くて小さいならこっちのほうがよくない!?? タイで発表された改良型日産「キックス」(16枚)画像ギャラリー内外装を大きく刷新 商品としての総合力が確実に引き上げられた
2026年3月23日、日産タイランドは、第47回バンコク国際モーターショーにおいて「キックス e-POWER」の大幅改良モデルを発表しました。日産「キックス」といえば、北米ではすでに2024年に新型(P16型)が登場していますが、本モデルは、日本で現行型となるキックス(P15型)をベースに改良を施したもの。ただ、その中身は単なる延命的なフェイスリフトではなく、商品としての完成度が明らかに一段上のステージへと引き上げられていました。
とくに目を引くのが、表情をガラリと変えたエクステリアです。筆者は現地でこの改良型キックスを見てきましたが、これまでの丸みを帯びたフロントフェイスから一転、スリムなヘッドライトと横方向に広がるデイタイムランニングライトの採用によって、先進的でワイド感のあるデザインに生まれ変わっていました。リアまわりもクリアテールランプや大型バンパーが備わり、バックドアには「KICKS」のロゴも新たに追加されるなど、非常にスタイリッシュ。ボディパネル自体は従来型から変わっていませんが、実車を前にすると数値以上に引き締まって見え、プロポーションそのものが改善されたような印象を受けます。
内装の進化も目を見張るものがあります。これまでのアナログメーターと小型ディスプレイの組み合わせから、12.3インチのデジタルメーターと大型センターディスプレイを主役にしたデジタルコックピットへ刷新。ステアリングホイールも「エクストレイル」や「ノートオーラ」などの同社の上位モデルと共通となるなど、質感は明確に底上げされ、従来の実用重視の印象から一歩踏み込み、所有満足度を意識した仕上がりとなっています。
日本にはないカスタム仕様の「MAXIMUS」はさらにスタイリッシュ。専用ホイールやスポーティなエアロ造形によって、個性をしっかり主張できる「選べる楽しさ」も用意されています。
パワートレインは定評のあるe-POWERを継承しつつ、タイ仕様として初めて「プロパイロット」が搭載されました。もともと評価の高かった加速性能や静粛性に加え、装備面でも隙がなくなったことで、商品としての総合力は確実に引き上げられています。
価格は発売記念特別価格で78万9900バーツ(約355万円、1バーツ4.5円で計算)から。従来型キックスのe-POWERモデルが2020年にタイで販売開始となった際の価格が88万9000バーツからであり、改良前にはグレード整理やキャンペーンを経ておおよそ80万バーツ~で販売されていたことを考えると、実質的に従来モデルと同等の価格帯に据え置くという戦略的な価格設定。装備が充実したことを考えると、その価値は高まったといえます。


















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