ホンダCR-Vの真の魅力 日本で苦戦中なれど、北米で年間38万台販売!?

 ホンダCR-Vが、2020年 6月19日にマイナーチェンジを行った。5代目となる現行型CR-Vが日本デビューしたのは2018年8月。ちょうど2年が経過するタイミングでのマイナーチェンジとなったが、ここ日本での販売状況は年間13,041台(2019年1-12月)と、それほど成功しているとは言えない状況だ。

 しかし実は、CR-Vはいま、海外で爆発的に売れている。中でも、主戦場の北米では、2019年の1年間で38万台、月平均は3.2万台も売れているのだ。CR-Vはなぜこれほど北米で受け入れられているのだろうか。今一度、CR-Vの魅力を振りかえってみようと思う。

文:吉川賢一/写真:HONDA、ベストカー編集部

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マイチェンでさらに商品力が向上

車両本体価格は3,361,600円~4,558,400円(税込)エンジンは1.5リッターのVTECターボと、2.0リッター+高出力モーターのe:HEVの2種類

 現行型のCR-Vは、現行シビックと同じ新世代プラットフォームを採用している。CR-VのようなミドルサイズSUVには、RAV4やエクストレイル、フォレスターなどがラインアップされており、ライバルは強豪ぞろいだ。

CR-Vは全長がフォレスター(4625mm)やエクストレイル(4690mm)よりも短く、
CX-5(4545mm)よりは長い

 パワートレインは、1.5リッター直4ガソリンターボ+CVTと、2リッター直4と電気モーターを組み合わせたハイブリッドe:HEV+CVTの2種類。それぞれFFと4WDがある。ボディサイズはRAV4とほぼ同じだ。

今回のアップデートを機にハイブリッドモデルは2モーターハイブリッドシステムの名称を「e:HEV(イーエイチイーブイ)」に変更

 なお、ガソリンターボ車には3列シートの設定もある。「ホンダセンシング」は全グレードに標準装備されており、リアサスペンションは乗り心地向上のため、先代のダブルウイッシュボーン式からマルチリンク式に変更。また、全グレードVGR(可変ギアレシオ)だ。

 今回のマイナーチェンジでは、お客様からのリクエストが多かった、シーケンシャルターンシグナルランプ、ステアリングヒーター、リバース連動ドアミラーを標準装備とし、商品力を向上させた。

 さらに、これまでのカラーバリエーションを見直し、新たにスーパープラチナグレー・メタリック、プレミアムクリスタルブルー・メタリック、シーグラスブルー・パールの3色を設定。

 「EX」グレードでは、ファブリックシートから、ファブリックとプライムスムース・レザーの2素材を組み合わせたコンビシートに変更、「マスターピース」グレードはホイールデザインも変更しており、内外装の質感向上を図っている。

 また、CR-Vの新たな個性として、内外装に黒基調の専用加飾が与えられた最上級グレード「ブラック・エディション」を新たに設定。フロントグリルやフォグライトガーニッシュ、テールゲートガーニッシュも、ダーククロームメッキ仕上げに変更、ホイールもブラッククリア塗装が施される。

 インテリアにも、BLACK EDITIONロゴ入り本革シートを採用するなど、力強さと厳つさを強調したカスタムカーのような雰囲気だ。

e:HEV EX BLACK EDITIONのインテリア。ナビゲーションモニターは小さく古さも感じる。現行フィットの方が大きい。

北米で人気のワケ

 ホンダは昔から、北米での評価が非常に高い。例えば、2020年4月、北米の有力自動車総合サイトのケリー・ブルー・ブックが主催する「2020年ブランドイメージアワード」において、ホンダは「ベストバリューブランド」に選出されている。「アコード」や「シビック」、そして「CR-V」といったホンダの主力車種の品質や信頼性、手頃な価格、リセールバリューなどが顧客に評価された結果だという。

 さらに、同アワードでは、CR-VがコンパクトSUVカテゴリの2020年ベスト・バイ賞を受賞、アコードも2020年ミドルサイズカテゴリで、シビックも2019年コンパクトカーカテゴリ(クーペ、セダン、タイプR共に)でベストバイ賞を受賞するなど、北米におけるホンダの評価の高さがうかがえる。

ケリー・ブルー・ブックが主催するコンパクトSUVカテゴリの2020年ベスト・バイ賞をCR-Vが受賞

 この北米におけるホンダの評価の高さは、クルマの出来が良いことは当然だが、ホンダという会社が、北米の方々に信頼されているからこそ、ということも大きいであろう。

 ホンダは、日系メーカーでいち早く米国工場を立ち上げて現地雇用を始め(※2019年には1979年の米国現地生産開始から40周年を迎えた)、1994年から米国のインディカー・レースにエンジン供給をし続けている(※2017年にインディ500で日本人初優勝を飾った佐藤琢磨選手が使ったエンジンはもちろんホンダ製)。

 このようなホンダの功績が、ホンダのブランドイメージを押し上げ、そこで生まれた信頼感が、クルマの評価を後押ししていると考えられる。ホンダの日ごろの振る舞いが、北米の人々の心に刺さった結果なのだ。

日本で売れない理由は

 CR-Vは性能が良く、そしてカッコいいSUVだ。しかし、だからといって「売れる」とは限らない。顧客は、自動車メーカーに対して顧客がもつ印象や、過去の実績、どういった恩恵をもたらしてくれたのかを見極めたうえで、クルマを購入する。

 北米市場においてホンダは、「ホンダ車であればどれを買っても安心できる。だってあのホンダなのだから」という絶大な信頼感を勝ち得たが、日本ではどうだろうか。

 ここ日本でのホンダといえば、昨今だと、軽自動車やコンパクトカーのイメージが強いのではないだろうか。N-BOXやフィットといったコンパクトカーは、日本人のことをよく考えられた、見事な仕事がなされており、その心使いにはいつも感心させられている。

今年登場したコンパクトカーの中で、クルマの出来が最も良いフィット

 しかし、ミドルサイズ以上では、そうした心がどうにも感じられないのは、筆者だけではないだろう。CR-Vも、シビックも、アコードも、ホンダのミドルサイズ以上のクルマは、「北米向けのクルマを持ってきました」感が否めない。北米で売れまくるCR-Vが、日本ではさほど売れない理由は、そういうところにあるのではないか、と感じる。

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