世界的な高級SUVが続々と投入される日本市場だが、意外にもジャパンブランドであるレクサスに、もう1台だけ日本未導入のモデルが存在するのをご存知だろうか。それがフルサイズSUV「GX」だ。
目新しいモデルではないものの、2019秋投入の2020年モデルは、フロントグリルがアップデートされたことで、より精悍なマスクのSUVに変身。より気になる存在となってきた。今回は、日本未導入の気になるレクサスのSUV「GX」に迫る!
文/大音安弘
写真/LEXUS、TOYOTA
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■唯一国内未導入のレクサス
ブランドエントリーのクロスオーバーモデル「UX」の導入で、完成されたかのように見える日本のレクサスSUVラインアップだが、海外向けSUV「GX」は、未導入のままだ。
そのポジションは、ミッドサイズクロスオーバーSUV「RX」とフルサイズボディを持つフラッグシップSUV「LX」の中間に位置するものだが、コンパクトクロスオーバー「UX」、コンパクトSUV「NX」、ミッドサイズSUV「RX」のモノコックボディを持つクロスオーバー系モデルと異なり、フラッグシップ「LX」と同じくラダーフレームを備える本格派なのだ。それもそのはずで「GX」は、「ランドクルーザープラド」がベースとなっている。ただ質実剛健のプラドとの大きな違いは、GXが、豪華絢爛な作りとなることだ。



第2世代となる現行型「GX460」は、2009年にデビュー。その名が示すように、ガソリン仕様の4.6LのV8DOHCエンジンを搭載。さらにレクサスのデザインフィロソフィーに沿ったエクステリアデザインと内装のリファインを加えることで高級車へと進化している。
デビュー時は、まだ大人しいフロントマスクデザインであったが、2013年の改良モデルから、レクサスの新しいアイコンとなったフロントグリル「スピンドルグリル」を採用。徐々に、アグレッシブなスタイルを強めていく。最新となる2020年モデルでは、そのフロントマスクに化粧直しが加えられた。
■新世代スピンドルグリルを備える最新型
2019年10月に投入された2020年モデルは、スピンドルグリルのリフレッシュが最大のトピックだ。すでにスピンドルグリルを採用していたが、2019年モデルまでは、スピンドルグリル内が横基調ルーバーデザインだったのに対して、最新型では、LSやLCなどでお馴染みの複雑な折り目で構成されるメッシュデザインに変更。如何にも”レクサス”という顔つきになった。
そのほかの改良点は、LEDヘッドライトや先進安全運転支援機能「Lexus Safety System+」の標準化などの機能の向上が中心のようだ。
最新型のスペックを見ていくと、ボディサイズは、全長4879×全幅1884×全高1884mmとプラドと比べ、わずかに全長が長い程度。これは前後マスク違いの影響だろう。パワーユニットは、プラドと異なり、兄貴分のランクル譲りの4.6L V8DOHCエンジンを搭載し、6速ATを組み合わせる。
ただし、ランクル仕様とはスペックが少々異なり、最高出力が301hp(305.2ps)、最大トルクが446Nm(45.5kgm)とわずかにデチューンされる。これは燃料の違いのようで、ランクルがハイオク仕様であるのに対して、GXがオクタン価91のレギュラーガソリンに近い燃料に対応しているためだ。

4WDシステムも、プラド同様のものを装備。上位グレード「ラグジュアリー」には、プラドの最上級グレード「TZ-G」の電子制御エアサスペンションや調節可能なスタビライザーを備える「KDSS(キネティック・ダイナミック・サスペンション・システム)」などの足まわりの機能が追加される。
インテリアに目を向けると、ダッシュボードデザインが専用デザインに。インフォテイメントシステムの標準化。4WDシステムの操作ボタンの配置も異なる。最大の違いは、パーキングブレーキで、プラドのハンドタイプではなく、フット式に変更している点だ。シートレイアウトも3列7人乗り仕様を基本とするが、オプションで2列目キャプテンシートが選べるなどの違いがある。

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