インテリアは原点回帰を!
そして、日産の万年課題であるインテリアは、ぜひとも一新していただきたい。
ライバルRAV4のインテリアは、先進的な装備と内装のカラーなど、ブラック処理されたSUVとはまた違う「センスの良いSUV」を感じられるものだ。ハリアーに関しては、日本人好みの上質でカッコいい、シャープなデザインを採用している。
日産のインテリアデザインも、この方向に舵を切ることは当然できるのだろうが、決してこの2台を目指してはならない、と筆者は考える。
筆者は、エクストレイルのインテリアは「エクストレイルらしさ」に回帰した方が良いのではないかと考える。それは、初代や2代目のエクストレイルにあった「外遊びで汚しても気にならない(すぐに掃除できる)」というような、使い勝手の良いデザインだ。
濡れてもすぐに乾くシートや、運転席で着替えるときにポップアップするステアリングホイールなど、クルマを道具として、汚れを気にせずに使えたのは、エクストレイルの魅力のひとつであったはずだ。
二兎を追ってはならない!
ハリアーとRAV4が、国内で想像以上に人気となったからといって、エクストレイルが、この2台になろうとしてはならない。次期型エクストレイルが、この2台よりも素晴らしいクルマとなったとしても、ブランドの強さ、顧客の属性、トヨタの販売体系など、土台が違う部分の影響は無視ができない。
クルマの購入動機は「性能の良さ」や「デザインの良さ」だけではない。情緒的な価値と紐づくと、人間は動かされやすい。つまり、過去の顧客がエクストレイルを選んで正解だったと感じた「理由」を突き詰める必要がある。
新型ローグが発表された、ということは、エクストレイルもすでに次期型がほぼ完成していて、いまは、小さな不具合箇所を洗い出し、初期不良が出ないよう細心の注意を払いながら、クルマを仕上げている段階だ。
「なぜエクストレイルを選んだのか?」「エクストレイルの存在価値とは?」。このあたりから振り返りをしたうえで、具現化をしていった結果が、「新型ローグ」だと願っている。
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