車両保険は過失なくても利用すれば等級ダウン
自分の過失がゼロではない場合や落下物の所有者を特定できない場合でも、車両保険に加入していれば、修理代金を保険金で賄うこともできる。
しかし保険金の支払を受ければ状況により1~3等級はダウンして、次回の保険料が跳ね上がることになってしまう。以前は不可抗力であれば等級据置きという特約もあったのだが、現在はそうした特約を扱っている損保会社はなくなってしまったようだ。
高速道路を運営する企業の一つ、NEXCO東日本にも訊いてみた。高速道路上には、毎日たくさんの落下物があり、その撤去を高速道路のパトロールカー隊員は、決死の思いで行なっている。
もし落下物と衝突してしまった場合、落下物の所有者を特定するために道路上のカメラの映像などを提供してもらうことはできるのだろうか。
「落下物にぶつかった時点でそれは交通事故となりますから、警察が扱う問題となりますので直接、当社からドライバーに情報を提供することはできません」(NEXCO東日本広報課)。
まず警察に事故の届けを出して事故扱いにしてもらい、高速道路上のNシステムや料金所の防犯カメラなどから落下物の所有者を特定してもらうよう警察に頼むしかなさそうだ。損害が軽微で事件性がなければ警察も動いてくれないかもしれない。
落下物との衝突事故を防ぐためにはどうするべきか
高速道路の出入りがETCによりノンストップ化したこともあって、荷台を覆っていない、荷物むき出しの危ないトラックは、昔よりも増えたような印象を覚えることもある。
高速道路を走行していて、危ない積み方をしているトラックなどに気付いたら、まずは離れること。無理に追い越そうとして後ろで粘ろうとせず、一度離れてから追い越すチャンスを待つことだ。
間に別の車両が入ってくれば安全とは限らない(他人を楯にするのもどうかとは思うが)し、近くを走っているだけで、周囲のクルマ共々被害に遭う可能性が高まる。
そして自動車保険は弁護士特約を必ず結んでおくこと。これは無料であったり、有料でも低額(数千円)なので必ず入っておこう。
交通事故以外のトラブルで弁護士に依頼するケースでも使える場合もあるから、個人賠償保険と並んで、必須の保険特約であることを覚えておいてほしい。
また、あおり運転の厳罰化によって自衛のためにも必需品となったドライブレコーダーは、こうした落下物による事故の際にも役に立つ。
イザという時に壊れたり、誤作動では困るので、SDカードのグレードを含め、品質にこだわって確かな製品を選び、装着しておくことも必要だろう。
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