国交省が「台風の前に水没車両脱出手順の確認と脱出用ハンマー搭載のお願い」を発表
台風や大雨ばかりではなく例えば、峠道を走っていて崖から転落、なんて場合にもシートベルトが外せなくなる(シートベルトに体重が掛かって張力があると外れないことがある)ケースでは、シートベルトを切断しなければ、クルマから脱出することはできない。
つまり、何らかの状態でクルマから脱出不能になった際には、ガラスを割ったり、シートベルトを切断する必要があり、クルマにはいざという時のために、緊急脱出用ツールを備えておく必要があるのだ。
こうした緊急脱出ツールは、ハンマー型でガラスに振り当てて割るタイプが一般的だが、それ以外にも棒状で先端に超硬のビットが備わっており、握ってビットをガラスに叩きつけるピック型やガラスに押し当てるとバネの反動でビットが飛び出てガラスを割るポンチ型なども出回っており、デザインも実に様々なモノが揃っている。
以前は100円ショップでも販売されていたが、さすがに100円では性能的に満足するモノを提供することは難しく、国民生活センターによる性能テストでガラス粉砕性能がないなどの問題が発覚し、回収騒ぎになったこともある。価格よりも性能や品質を重視することをお勧めしたい。
2020年8月12日には、国土交通省がクルマの水没対策及び緊急脱出ハンマーを搭載しておくことを推奨する、と発表している。
さらに8月20日には国民生活センターが緊急脱出ハンマー19製品を、ガラスを粉砕する能力や本体を装着しておくホルダーの有無、製品の耐久性についてテストしており、5製品はガラスを粉砕できないことが明らかにしている。
緊急用だけになかなか練習することができないから、こうしたツールはいかに使いやすい仕様であるかが大事だ。なにしろ窓を割って脱出しなければならない状態は、緊急事態そのもの。
豪雨による洪水で冠水した道路にうっかり進入してしまい、走行不能になってしまったとしたら、ドアは水圧で開かなくなるし、電装系はショートしてパワーウインドウが開かなくなることもある。
そうなったら即座にウインドウガラスを割って、車外へと脱出しなければ危険だ。
また交通事故でクルマが損傷してドアが開かなくなった場合も、脱出するにはウインドウガラスを破るしか方法はないこともある。
警察やレスキュー隊を待っていては出火してクルマが燃えてしまう可能性もゼロではないから、身体が動かせる状態であればクルマから脱出したほうが絶対に安全だ。
もちろんその場合は、クルマから離れてガードレールの内側など安全な場所に避難することも大事だ。
また時々報道されるパワーウインドウによる挟み込み事故に関しても、負荷によってパワーウインドウのブレーカーが作動したり、ヒューズが切れて作動不能になってしまうこともある。
どちらにせよ当事者はパニックになっているなら、オーナーに承諾を得てからそのサイドウインドウを割ることができれば助けることもできるのだ。
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