【総括】
SUVは悪路を走破するクルマから発展したので、大径タイヤ、厚みのあるフロントマスクなど外観の存在感が強い。一方、ボディの上側はワゴンに近い形状だから室内は広い。カッコよさと実用性の両立で人気を高め、3列目シートを備える車種も増えた。
SUVの床は、ミニバンのように平らではなく、3列目は2列目に比べると燃料タンクのために持ち上がる。窮屈な姿勢になるが、多人数乗車の機会が1年に数回、短距離にかぎられるなら、ミニバンではなく外観の見栄えや走りのいいSUVを選ぶほうが合理的という判断も成り立つ。
大人の多人数乗車が片道1時間に達する場合はマツダ「CX-8」を推奨する。SUVの3列目としては最も快適で、ミニバンに置き換えると、ホンダ「フリード」やトヨタ「シエンタ」に近い居住性を確保した。
内装の質、走りも優れ、総合評価も高い。中心価格帯は350〜400万円で、上級SUVとしては割安だ。トヨタ「ハリアー」「アルファード」、スバル「新型レヴォーグ」などの売れ筋価格帯と重なる。
ボルボ「XC90」の3列目は、CX-8ほど快適ではないが、片道40分程度なら大人の多人数乗車も可能だ。ボディは全長が約5m、全幅も1.9mを超えるから高速道路を巡航する使い方に適する(この時は3列目を使わない)。価値観が日本車とは異なり、価格も824万円以上だ。
レクサス「RX450hL」は3列目が窮屈で、大人が多人数で乗車するなら片道20分までだ。その代わり、内外装や運転感覚を上質に仕上げた。
個性を重視するクルマ好きはCX-8やXC90を選ぶと思うが、違和感なくふつうに使える上級SUVがほしいならRX450hLが適する。RXの7人乗りはロングボディのRX450hLのみで価格は796万円だ。結局、現実的な選択肢はCX-8になる。
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