作れば売れる? ホンダはなぜ軽SUVを出さないのか

■ホンダが軽SUVを作らない3つの理由

いい意味でチカラの抜けたクルマ作りが苦手なホンダだが、ライフはそこそこのヒットをとばした
いい意味でチカラの抜けたクルマ作りが苦手なホンダだが、ライフはそこそこのヒットをとばした

 1つ目は「過去に成功したクルマなし」ということ。今のN-BOXのような大ヒット作になったN360をベースに開発したバモスの販売状況と言えば、見事なカラ振り。

 もう少し詳しく書くと、スポーティモデルという位置づけの『Z』(初代)も、てんで売れなかった。そして前述の2代目Zは気合い入れた割に大赤字で終わってしまう。

 ホンダ、こういった肩のチカラを抜いたクルマ作りがヘタなんだと思う。そもそも軽自動車で大ヒットしたのは、N360とN-BOXくらいのもの(1997年のライフも中ヒットしましたね)。

 ヒットを狙って開発した先代N-WGNだって埋もれた。N-BOXスラッシュや、少し前になるがザッツなどウナりを上げたカラ振りだって少なくない。

 2つ目は、ホンダが悪路を嫌っている点にあると思う。

 考えて欲しい。ホンダというメーカー、少なくとも4輪車部門を見るとアウトドア&自然で遊ぼうという気持ちを感じない。CR-Vのようなクルマですら、初代からオフロードを積極的に走るようになっておらず、「なんちゃって」精神満載だった。クロカン4WDを作った歴史もない。

 SUVは好きな人が作らないと楽しいクルマにならない。ホンダの中に「アウトドアで遊べる軽自動車を作ろう!」という熱意を持った人が居ないとは思えないけれど、少なくとも新型車を開発する企画会議じゃ却下されてしまうようだ。

 逆に作ろうとすると、2代目Zのように凝りすぎて割高になっちゃうのかもしれません。

■3つ目の理由と今後ホンダの軽SUVが出る可能性は?

現行型N-WGN。完成度は非常に高いが、最新の2020年10月販売は5943台で、もう一声ほしいところだ
現行型N-WGN。完成度は非常に高いが、最新の2020年10月販売は5943台で、もう一声ほしいところだ

 3つ目は経営陣のセンスがないこと。

 軽自動車に限らず日本で販売されるホンダ車の全てに言えることながら、徹底的にユーザーを見ていない。直近の3年で発売されたクルマの大半は、見た瞬間「売れないでしょ!」と思えるモデルばかり。ジェイドやインサイト、クラリティなど日本で販売したって売れるワケないです。

 なかでも日本担当部門がダメだと思う。空気や市場の流れを読める人なら、4年前にSUV風の軽自動車を販売していたことだろう。感性の鈍い人だったとしても、4年前はSUV人気の兆候出ていたので、今年くらいに新型車として登場させられたハズ。

 市場を読むことに対する能力は決定的にない。だからこそN-ONEを20万円値上げする。

 可能性はないのか? 当然ながらあると思う。率直に言って現在の販売状況を見てSUV風のモデルを作らない理由がない。むしろ1日でも1か月でも早く売るべきだろう。

写真は現代のハンターカブと呼ばれるCT125。こういった遊び心あるモデルが四輪でもほしい!
写真は現代のハンターカブと呼ばれるCT125。こういった遊び心あるモデルが四輪でもほしい!

 ということで文頭に戻る。2年以内にワクワクするSUV風の軽自動車を出さないような感性なら、もう自動車メーカーの企画担当として能力なし!

 ただ、ハスラーやタフトと勝負できるような魅力のあるクルマを作れるかどうかは不明。せっかく作ったってeKクロスやeKクロススペースは伸び悩んでしまっている。SUV風のモデルであり、なおかつ売れないとN-ONEのように赤字を出す状況になってしまう。

 2輪のハンターカブ作っているような人に頼んだら楽しいクルマになるか?

【画像ギャラリー】アソビ心がないわけじゃない! ホンダ軽自動車の「トガった」ラインナップを見る

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