JAF(日本自動車連盟)が実施しているロードサービスの調査によると、タイヤのパンク発生件数が2007年度の約28万7000件に比べ、2017年度は39万2000件と、この10年間で約10万5000件も増えていることがわかっている。
2018年は約38万8000件とわずかに減ったものの、2019年には約41万2000件と再び増加している。
タイヤの性能と道路環境が良くなっているにも関わらず、なぜこんなにタイヤのパンクが増えたのか。
JAFによれば、定期的にタイヤの空気圧をチェックする機会が減っていることなどが要因と分析している。クルマの平均使用年数が伸びて(クルマの老朽化とともに)タイヤの老朽化が進んでいること、そのわりにタイヤを履き替える人が減っていること、加えてフルサービスのガソリンスタンドが減少したり、用品店へ行く機会や洗車する機会が減ったことで、それぞれのドライバーがタイヤの状態をチェックする機会が減っているということだろう。(タイヤの状態や空気圧は運転前にしっかりチェックしましょう。命に関わります)
さてそこで、不幸にしてパンクしたタイヤが継続使用NGとなった場合、そのタイヤだけを1本だけ新品に交換すればいいのか? それとも前輪か後輪どちらからの2本を新品にするのか? あるいは4本同時に交換しなければいけないのか? またFF、FR、4WDなど駆動方式によって変わってくるのか?
本企画では、タイヤ交換にまつわる疑問点をモータージャーナリストの高根英幸氏が解説する。
文/高根英幸
写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部 Adobe Stock(トビラ写真はNoGal@Adobe Stock)
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季節の変わり目はタイヤの空気圧が変化しやすい
11月に入ってからというもの、暖かい日でも1日の気温の変化が大きくなるようになってきた。こういう季節の変わり目は、タイヤの空気圧が変化しやすい時期ともいえる。
特にタイヤのサイドウォールの厚みが少ない、いわゆる薄っぺらい低扁平タイヤは、サイドウォールの剛性が高い構造だが、それは適正な空気圧が保たれてこそ機能するもの。
むしろ低扁平タイヤこそサイドウォールの変形に対しては弱いから、良いタイヤを履いているユーザーほど空気圧には気を使うべきだ。
空気圧が低い状態のまま走って、うっかり道路の穴やキャッツアイを踏んでしまうと、サイドウォールやショルダー部が避けてバーストしてしまうこともありえるからだ。
また、最近のクルマは操作系が軽い感触で、クルマから走行フィールを伝えてくれるインフォーメーションが希薄な傾向にある。
それに加えて信頼性が高まっていることもあってドライバーはクルマの異常に鈍感になっているから、パンクに限らずその他のトラブルも、いよいよ部品がダメになるまで気付かずに走り続けてしまうこともある。
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