パンクしたらそのタイヤは使える?
パンクに気付くのが遅れてタイヤが潰れた状態で走ってしまったり、異物が刺さった場所がショルダー部やサイドウォールだったり、鉄板の破片など大きめな異物だった場合には、パンク修理ができない場合もある。
最近よく見られるスペアタイヤの代わりに搭載されるパンク修理剤は、液剤と電動コンプレッサーのキットで小さな穴には使えるが、あくまで応急用だ。
その場では穴が塞がって走行可能になっても、タイヤ専門店などでタイヤをホイールから脱着して薬剤を除去して内側からしっかりパンク修理する必要がある。
この時にサイドウォールが傷んでしまっていれば、安全のためタイヤを交換することを薦められるだろう。
ガソリンスタンドで行なってくれるタイヤの外側からパンク穴にゴムチップを差し込んで修理するのは本来は応急修理であり、完全な修理とは見た目の穴を塞ぐだけでなく、内側からパッチを貼ってキッチリと修理することなのだ。
なお、パンクしても走行可能なランフラットタイヤは確かに便利で安心なタイヤだが、いざパンクすると、そのまま走行したタイヤは修理不可能となるので、パンク修理としては高い出費を強いられる。
空気圧センサーなどの情報から、クルマがパンクの警告を発したらできるだけ早く修理することで、タイヤ交換の必要性から逃れることができるかもしれない。
ランフラットだからパンクしても100kmは走れるから大丈夫と、そのまま走行を続けてしまうのは、そのタイヤを捨てる覚悟で運転する、ということになる。
もし安全に駐車できる場所がすぐ近くにあるのなら、パンク修理キットを使って応急修理をした後、タイヤ専門店でキチンとパンク修理することでそのタイヤは継続使用可能にできるのだ。
1本だけ交換、それとも2本交換、4本交換の目安は?
パンクしたタイヤが修理不可能となると、新品タイヤに交換することになるが、そうなると悩むのが残り3本との性能差だ。
理想は4本同時交換だが、経済的にも資源的にもそれはちょっともったいないと思うのが庶民の常識的な感覚だろう。
タイヤは使っていなくてもダメになる、オイルや水に次いで寿命の短い「生モノ」だ。
近所の買い物にしか使っていないようなクルマなら、新品タイヤに交換しても違いは感じとれないかもしれないが、月に1度以上はクルマで出掛けるようなドライバーなら、新品タイヤの吸い付くような走りと安定感は、楽しさと安心感を伝えてくれることを知っているだろう。
タイヤメーカーによってはゴムの劣化を抑える添加剤を配合して長寿命化を図っているが、以前より長持ちするようになったとはいっても、平均の年間走行距離が短くなってきた最近では、残り溝がなくなる前に劣化してしまうことも珍しくない。
残り溝が5分山(5ミリではなく、新品時の半分でタイヤによって異なる)以上残っているなら、パンクしたタイヤ1本だけの交換でも走行への影響は少ないだろう。
ただし、その場合でも新品タイヤを履かせる“位置”は考える必要がある。
基本的には左右のグリップ力などが異なるなら、ステアリングで修正できる前輪に新品1本を履かせるべきで、リアタイヤの左右グリップはなるべく均等にしたほうがいい。
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