日本におけるテスラの評価はあまり高くない。
もちろん熱狂的なファンもいるけれど、例えば『ベストカー』など自動車専門メディアを見ても、ほとんど紹介されない状況。一般的なクルマ好きからすれば興味の対象外となってます。
そんな状況のなか、アメリカで権威のあるコンシューマーレポートがテスラを低い評価にした。アメリカでも同じらしい。なぜか? じっくり考えてみたいと思う。
文/国沢光宏、写真/Tesla Motors、ベストカー編集部
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■自動車の安全に対する考え方に難アリ?
そもそも私自身、テスラを信用していない。理由は簡単。何度もクルマ起因と思われている事故を起こしているけれど、テスラから何の情報開示もないためです。
2018年のゴールデンウィークに東名高速でテスラが事故で停車中のバイクに突っ込み、1人亡くなるという痛ましい事故を覚えているだろうか?
オーナーの知人から聞いたのだけれど、事故を起こしたテスラを購入する際、営業担当から「自動運転のオプション」を進められオーダーしたという。
事故時もオーナーは自動運転と思ってドライビングシートに座っていたことだろう。けれど事故で止まっている車両を検知できず、減速することなく突っ込んでしまった。
この事故「テスラは自動運転装置ではないからドライバーの責任」と主張しているようだ。
たしかに、2018年時点で自動運転の『レベル3』(クルマに運転の主権がある)は、世界中に存在していないため、事故はすべてドライバーの責任となる――ということが明々白々であるため、普通の自動車メーカーなら自動運転状態にならないよう安全装置を付ける。
■他メーカーなら当たり前の「安全策」がテスラにはない
2018年時点でアクセルとブレーキ操作、レーンキープ(車線逸脱防止)機能を持つクルマは多数存在したけれど、すべて10km/h以上の速度域になると10秒以上ハンドル持っていなければ警告の後、運転援助機能をカットする。
テスラのように連続した手放し運転をさせると脇見や居眠りする可能性出てくるため、クルマが凶器になってしまう。
また、日産の「プロパイロット2.0」のように手放し走行モードを持つクルマもあるが、これまた常時運転手をカメラで監視しており、前を見てないと警告の後、機能カットになります。
こういった対応、日本の自動車メーカーに限らず、ヨーロッパやテスラを除くアメリカのメーカー全てが行ってます。というか自動車メーカーなら当然だと思う。
自動車を買ってくれたユーザーを守るということもさることながら、前述のとおり自動車という乗り物は暴走すると強い破壊力を持つ凶器になる。東名道の事故も凶器になってしまった。
そいつを避けるため、可能な限り凶器にならないようなシステム作りをするのが自動車メーカーの責任でもある。そういった当たり前のことをテスラはやらない。
東名道の事故に限らず、アメリカでも自動運転だと勘違いしたための死亡事故が発生してます。いずれも「ドライバーの責任」と主張。安全策を行わないまま危険な装備を付けていたことに対する反省はない。
100歩譲って限られた環境(サーキットや私有地)なら安全を配慮しない機能も許される。けれど公道で使うことはカンベンして欲しい。
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