“栄光なき名車たち”主役となれなかった悲劇の名車にスポットライトを当てる

■トヨタ クルーガー(2000〜2007年)

 カムリ系をベースに開発された初代ハリアーの兄弟車。クロカンSUV的なルックスで、エンジンは2.4Lの直列4気筒と3LのV型6気筒ハイメカツインカムを搭載した。デザインは野性的だが、得意とするのは舗装路だった。

 が、ハンドリングの洗練度や乗り心地はハリアーに及ばず、価格も安くはなかったから販売は低迷。ハリアーが2代目になってからは存在価値を失い、1代限りでお払い箱に!!

≪編集部からのコメント≫初代ハリアーはプレミアムSUVの開拓者的存在。兄貴が強力すぎたというのはあるけどね。

■マツダ ランティス(1993〜1997年)

 ランティスはマツダ渾身の力作だ。デザインはスタイリッシュだし、インテリアも贅沢な仕立てだった。また、エンジンも上質なV型6気筒DOHCを主役とし、気持ちいい走りを見せる。フットワークも軽快で、ジャーナリストの評価は高かった。

 プリメーラの対抗馬として期待されたが、マツダの5チャンネル体制が不発に終わったことなどが足を引っ張り販売は低調に終わった。正直、もったいないクルマだ。

≪編集部からのコメント≫一時社有車としてBC編集部にも在籍。軽快に回るV6をMTで走らせるのは楽しかった。

■ホンダ 初代インスパイア(1989〜1995年)

 アコードの上級ポジションを与えられてデビューしたのがインスパイア。ビガーの兄弟車として開発され、エンジンは異色の直列5気筒を縦置きに搭載する。和製アウディと呼べる大胆なメカを採用し、プロポーションも大胆だった。

 が、小型車サイズのなかに収めるのは無理があったし、取り回し性にも難がある。V型6気筒エンジンにワイドボディのディアマンテほど明快ではなかったので、販売は伸び悩んだ。

≪編集部からのコメント≫インスパイアのエンジン縦置き、でもFFというのはホンダらしい変態ぶりでよかったけどね。

■スズキ 2代目エスクード(1997〜2005年)

 初代エスクードは、今につながるクロスオーバーカーブームを築いたSUVの功労車だ。キュートなデザインとタフなメカニズムがウケ、内外でヒットを飛ばした。

 続く2代目は、メカは進化していたし、車格も上がったが、当時ウケていたのは都市型SUVの初代CR-V。2代目エスクードは日本人ウケするデザインではなかったこともあり、CR-V人気の壁を崩すことなく、陥落したのである。

≪編集部からのコメント≫ 歴代唯一の3列シートモデルの設定など、見どころはあった。でも確かにピリッとしなかった。

■トヨタ グランビア(1995〜2002年)

 操縦安定性や安全性の要求度が高くなったのを機に、トヨタはワゴン専用設計のミニバン、グランビアを送り出した。3ナンバーの堂々としたボディ、2.7Lのディーゼルターボと3.4LのV6ガソリンエンジンも余裕があった。

 が、その2年後に「最高級新世代1BOX」を掲げ、上質なV6エンジンを積んだ初代エルグランドが登場。迫力ある顔つきと広い車内で人気となり、グランビアの存在感は薄まった。

≪編集部からのコメント≫この時の敗北が、今のアルファード人気につながってると思えば、グランビアも本望でしょ。

■日産 アベニールブラスター(2000〜2005年)

 世紀末、スポーツワゴンの代表であり、バカ売れしていたのがスバルのレガシィツーリングワゴンだ。アウトドア色を強く打ち出したランカスターも人気だった。

 これに対抗して日産は、2000年秋に2代目アベニールにブラスターを設定した。専用バンパーや丸型フォグランプなどを採用し、最低地上高も高めている。だが、多くの人は食指を動かさなかった。中途半端で目立たなかったせいか?

≪編集部からのコメント≫最低地上高=185mmはソコソコ使える。期間限定で売られた冬仕様とかはソコソコ魅力的だった。

次ページは : ■トヨタ マークXジオ(2007〜2013年)

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

SCOOP総集編やZ NISMOなどのゼロヨンテストで、夏い暑も吹っ飛ばせ(!?) これを読めばクルマ界の将来丸わかり!「ベストカー9月26日号」

SCOOP総集編やZ NISMOなどのゼロヨンテストで、夏い暑も吹っ飛ばせ(!?) これを読めばクルマ界の将来丸わかり!「ベストカー9月26日号」

暑さ吹っ飛ばす灼熱ゼロヨンテスト、敢行! 総勢55台が集まるSCOOP情報の総集編も堂々完成! 読んでるコチラも胸が熱くなる特集でお届け!