ドイツは30年超保有で減税!! なのに…日本では古いクルマに乗り続けるのは罪なのか!!


欧米のヒストリックカーの税制処置

ヒストリックナンバーを取得してイベントに参加した1961年式VWタイプIIとオーナー
1978年に登場したBMW M1もヒストリックナンバーの対象

 ほかの欧州諸国での自動車税に目を転じると、英国では現行販売車両の自動車税の課税基準は、CO2排出量と使用燃料の種類に応じて設定され、CO2排出量が少ないほど税金は安く、排出量100g以下は免税となっている。

 一方、初年登録から40年以上経過した自家用車両は自動車税および車検(車両登録)が免除となる。

 フランスではCO2排出量により環境規制が厳しくなる傾向はあるとはいえ、自動車税に関しては、主に排気量を基準に課税する「課税馬力」を採用。基本的には車齢に関係なく課税され、ヒストリックカー(含むクラシックカー)のくくりは存在しない。

 一方、新車に比べて旧い車両は登録時にかかる費用が安くなり、10年落ちの車両であれば新車の半額程度になるようだ。

 2年に一度の車検が必要とされ、費用は新旧車ともに50ユーロ以下(約6300円)。25年以上前のクルマに対しては、保有台数が多ければ多いほど割安になる。またナンバープレートとは別に、フロントガラスに車検合格のステッカーを貼っておかなければならない。

 ほかの欧州諸国でも、イタリアでは自動車税は燃費基準によって定められ、20年以上経過した車両は減税対象となり、30年以上で免除となるなど、総じて欧州では国によって違いはあれど、製造からおよそ20年以上経過した車両は、現状では自動車税が緩和される傾向にある。

 一方、米国では1994年以降に義務付けられた環境保護庁(EPA)が定める排ガス規制が設定されているが、製造から21年以上経過した車両は対象外で、輸入車を含む米国内で販売される車両が対象となる。

 アメリカは個々の州による規制もあり、独自の厳しい排ガス規制を実施していることで知られるカリフォルニア州でも、1975年以前に製造された車両は対象外となる。

 アメリカには製造から25年以上経過した車両(こちらも輸入車を含むのは欧州や日本から持ち込まれる車両が多いためだろう)の保安基準に対する優遇制度、いわゆる「25年ルール」があり、細かいチェックが免除され、右ハンドル車もクラッシュテストなどなしに米国内で販売/登録が可能になる。

世界の自動車に対する税負担(出典:日本自動車工業会)

 東京都でも1945(昭和20)年以前に製造された、いわゆる“クラシックカーは、所有者の申請により自動車税の減免が受けられる「ヴィンテージカー減免」を実施しているのだが、ドイツのヒストリックカーナンバー制度の規模とはほど遠い。

 納期限までに申請することにより、自動車税「種別割」の重課分の減免を受けることができる。なお、ヴィンテージカーの自動車税の減免については年度ごとの申請の必要はないとのこと。

東京都のヴィンテージカー減免制度の詳細は東京都主税局のホームページ

総務省に旧車の税制は今後どうなるのか聞いてみた

昭和48年1月からわずか3カ月、197台のみが生産、195台が販売されたKPGC110型スカイライン。こうした貴重な日本車を守るためにも13年超の税金を安くするべきではないか

 さて、今般メディアを騒がせている「2030年~2035年までに純エンジン車の新車販売禁止」の話題についてだが、今後、今所有しているガソリン車が、乗れなくなる日が来るのか?

 自動車の中古車の車検制度や税制に関する質問を投げかけようとすれば、ご想像の通り、車検制度については国土交通省の自動車局、税制については総務省と見事な縦割り行政になっている。

 ちなみにいわゆる「エコカー減税」については後述するが、2021(令和3)年度政府予算で継続が決まり、2年後の2023年4月まで延長され、新たな燃費規準として2030年度燃費規制が導入されることになった。

 ここで旧車オーナーが心配しているのは、旧車の税金がさらに高くなるのか、ということ。税制を扱う総務省に訊ねると「案件として上がってきていない」とコメント。

 日本では車検が製造年次の排ガス基準をクリアすれば使用し続けることは周知の通りだが、今後の日本の自動車税の方向性を訊ねても、未検討というか“ほったらかし”といえる状況にあるようだ。

 振り返れば、「自動車税のグリーン化税制」の一環として、2019年に「自動車取得税」が名を変えて「環境性能割」としていわゆる“重課税”は生き残ることなった。

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