■元気でファッショナブルを目指した2代目
ミラージュIIのモダンカジュアル路線を受け継いだ2代目は、1983年10月にデビュー。「元気なカジュアルビークル」のコンセプトに相応しいフレッシュなデザインが魅力であった。
ボディタイプは、3ドア&5ドアハッチバックと4ドアセダンを設定。電子制御の1.6Lターボ「GSRターボ」や1.8Lディーゼル、可変排気量システムを備える1.5Lエンジンなどパワーユニットの拡充も図った。またデジタルメーターや電子式ラジオ、オートヒーターなどの80年代らしいハイテクも取り入れている。
1984年9月の改良では、内外装に手を加え、やや落ち着いた雰囲気を強め、車格の向上を図る試みも……。また1985年2月には、ワゴンとバンも追加。さらに86年8月に、ワゴン・バンに三菱初のセンターデフ付きフルタイム4WD仕様が加わる。
実用車の性能向上に、4WDを取り入れたのは、三菱らしいところだ。この頃より若者のミラージュ人気を高めたミラージュワンメイクレースが開催されるように。1985年から1998年までの14年間に渡り開催され、多くの若手レーサーを育成に貢献した。
■時代はバブル! 若者の心をガッチリ掴んだ3代目
若者が愛車を持てるようになった時代に誕生したのが、1987年10月発売の3代目だ。次世代を担う若者をターゲットとし、まずは3ドアモデルのみを発売。欧州車風味のスタイリッシュなデザインを与え、個性的な4タイプの仕様が展開された。
その中には、ボーイズレーサーとして名を馳せる「サイボーグ」と共に、謎めいた多目的2シーター「XYVYX(ザイビクス)」が存在。拡大されたラゲッジスペースをユーザーが自由に使えるものだったが、その意図が伝わらず、早々に消滅。まさに幻のミラージュとなった。
また遊び心に溢れた装備も多く、ルーフを前後2分割ガラスとした「スーパートップ」や聞き逃し再生を可能としたメモリー機能付ラジオ、昼間と夜間で表示色が変化する「カメレオンメーター」など個性的なアイテムも多かった。
1988年1月には、4ドアセダンもフルモデルチェンジ。同年に、ランサーもフルモデルチェンジを実施していることが示すように、ミラージュとランサーの関連性がより強まった。
ホイールベースを拡大したセダンは、バーティカルラウンドリヤピラーというアイデアを採用し、リヤガラスがハッチバックのように直立しているのが特徴。これによりコンパクトなボディの中で広い後席スペースを実現していた。
■MIVEC投入で究極のベーシックカーを追求した4代目
バブル絶頂期となる1991年10月に登場したのが4代目。時代が許した潤沢な開発費を投じ、全面的な刷新が図られたのが大きな特徴だ。欧州風味の洒落たデザインは、踏襲していたが、若々しく元気な3ドアハッチバックに対して、4ドアセダンは上質さも意識するようになる。
その特徴が最も現れるのが、メカニズム。セダンには、1992年2月に、最上級仕様向けとなる世界最小となる1.6LのV6エンジンを新開発して搭載。まさにコンパクトセダンの常識を打ち破る贅沢な存在であった。
もちろん王道のスポーツハッチ路線も強化され、VTECイーターというべく、高回転型ツインカムエンジン「MIVEC」を92年10月に投入。
各車から新開発のスポーツツインカムが続々と投入されたことで、FF最強対決が過熱していく。また新たな派生モデルとして、2ドアクーペ「アスティ」も誕生。これは主に欧米でのセクレタリーカーニーズに応えたものだった。
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