アクアラインでYouTube見放題!! 車載専用Wi-Fiルーターの実力をチェックした!

 カロッツェリアの車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」。結論から言えばこの冬の大ヒット商品である。現在、品薄のこの人気商品。だからこそ、厳しい実車装着テストを行い、マジな実感をお届けしたいと思う。

文/高山正寛(カーナビ伝道師)、写真/ベストカーWeb、パイオニア

【画像ギャラリー】車内環境をガラリと変える注目の「DCT-WR100D」


■予想はしていたが、まさかこれほどの人気になるとは・・・

車内を快適なオンライン空間に変えてくれる、待望のWi-Fiルーターとして人気を集めている

 今回のレポートはガチである(いつもそうだけど)。こういう仕事していると「メーカーに忖度しているんでしょ」とか言われることもあるけど、全然そんなことはない!

 その証明というわけでもないが、筆者もしっかり「自腹」で発売開始日にオーダーを入れた。この件に関しては後述するが、発表直後から自分の周辺でも「あの車載用Wi-Fiルーター、実際どう?」という質問を本当に多く受けた。

 そういう質問をしてくる人は勘が良いのだろう。多分、クルマでの使い方についてある程度イメージが出来ている人だ。

 そして発売開始後、同社の直販サイトにアクセスしてみたら、もう人気爆裂!全くと言っていいほど繋がらない。ほぼ半日を費やしてもダメだったので(これは自分のネット環境の悪さもあり反省している)。某有名ECサイトを片っ端からアクセスしたが、売り切れまたは取扱未定、のまま。

 その後については最後に記すが、改めてのこの商品が売れることを肌で感じ取った次第だ。

■こんな小さいな“箱”に驚きのポテンシャル

シガー電源に挿して本体を好みの場所に設置するだけ。コンパクトなサイズなので、縦置き、横置きを問わず設置可能だ

 購入がかなわないまま、ベストカーWEB編集部からのお誘いでパイオニアのデモカーに装着されている「DCT-WR100D」をテストさせてもらえることになった。

 デモカーは現行型の日産リーフS。Sグレードはご存じの通り、オーディオレス仕様車。いわゆる「Nissan Connect」を搭載するテレマティクス機能は非搭載である。

 ゆえに、このデモカーにはこれまた今年の大ヒット商品となったディスプレイオーディオである「DMH-SF700」が装着されていた。「DMH-SF700」はディスプレイ自体を本体から浮かせる状態にすることで1DINスペースに取り付けられつつ、9V型大画面を実現したモデルである。

 さて、改めて「DCT-WR100D」本体を見ると、やはり「小さい」。本体は幅91.5mm×高さ16mm×奥行44.5 mmというサイズだが数値云々より手のひらに載るサイズ。

 所有するiPhone8よりは小さく、日常かなり食べている「フリスク」よりは少し大きい程度(ちなみにフリスクは幅70mm×高さ11mm×奥行32mm、筆者測定)なのでその小ささがわかる。

 本体は推奨する取り付け角度を守って装着。その角度は0°~20°の間。しっかり守った方が良いのは当たり前だが、車内の形状によっては難しいケースもあるだろう。

 ただ色々と極端ではない角度で本体を置いてみたレベルでは動作はしたので「取り付け場所が無い・・・」という理由で購入を躊躇しなくてもいいだろう。そんなに心配だったらカー用品店でもパイオニアのお客様相談センターに確認すれば良いだけだ。

 ちょっと乱暴な言い方だが、それだけこの商品の汎用性は高いということだ。

■本当に快適なのか、その1(山奥)

クルマの中から資料を送ったり、受け取ったり、さらにオンライン会議も可能になるなど、ビジネスシーンでも大活躍

 「DCT-WR100D」をテストするに辺り、事前にテスト場所と比較する通信環境を用意した。

 まず、その1は普段出張で行く機会が多く、通信環境が良くないことを知っていた千葉県内の山奥を選んだ。千葉県出身の筆者がディスるつもりはさらさらないが、ここは本当に電波環境が厳しい。

 携帯電話での通話や、ちょっとした仕事でファイルをダウンロードして確認しなければならないことも意外と多く、要は出張先の車内で「サクッとビジネス」できるのか? を試してみたかったのである。

 比較用に筆者が使っているiPhone8(ドコモ回線で契約)、モバイルルーター代わりにも使っているAndroid端末(ドコモ回線によるMVNO)、そして「DCT-WR100D」の3つを同じ場所と時間で試してみた。

 接続速度に関してはスマホアプリとして配布されている「ドコモスピードテスト」を活用した。実際の計測速度が表示されている上に地図が表示されるが、GPSがうまく捕捉できず、山奥なのに東京湾と表示されてしまったことは先にお詫びする。

 さて、この場所は前述したように中々厳しい通信環境だ。まずiPhone8だが

 「下り:1.23Mbps、上り:7.54Mbps」だった。いくらiPhone8がプレミアム4Gに未対応とはいえ、この速度は厳しい。というか、この場所が厳しいのだ。事前に用意しておいたPDFファイルのダウンロードもギリギリ何とかダウンロードできるレベルだ。

 次がMVNOを使った受信だ。こちらは

 「下り:0.34Mbps、上り:0.81Mbps」とPDFのダウンロードなどは途中でギブアップするほど遅い。添付ファイルの無いメール確認がギリギリである。

 さて注目の「DCT-WR100D」だが、結果は

 「下り:12.86Mbps、上り:9.12Mbps」と前2機種とは比較にならないほどの結果が出た。

 正直、iPhoneは普段もっと速度は出るはずだし、ここまで差が付くとは思わなかった。ただ、さすがにこの速度になるとwebの閲覧はもちろん、PDFのダウンロードも快適だ。

 そして後日テストしたのだが、最近流行りの「オンライン会議」にも十分対応できることがわかった。

 筆者的には「どこまで仕事好きなんじゃ!」と突っ込みたくなるのだが、人それぞれに理由があるし、昨今密を避けられる環境としてクルマの評価が本来とは別の意味で上がってきていることから考えても車内で会議が出来る点はメリットと言っていいだろう

 実際、SAやPAなどでビジネスマンがパソコンを開いてダッシュボードの上に携帯電話を置き、テザリングを使い仕事をしている姿をよく見かける。

 その日の電波状態などによって実行通信速度は変化するので確約はできないが「DCT-WR100D」を使えば安定した通信速度なので、会社への連絡や会議までもその場で済ませて、直帰することも可能になる。その点でも「働き方」を変えるデジタルツールとしても魅力的だ。

■動画が驚くほどスムーズに視られる! テストその2(海底トンネル)

通勤時に音楽のストリーミングサービスを楽しんだり、家族とのドライブでは動画視聴やオンラインゲームも楽しめるなど使い方は多彩だ

 電波状況が悪くても停車状態であれば、ある程度は受信ができるが、これが文字通り「移動体通信」となれば環境はもっと厳しくなる。

 「DCT-WR100D」は移動中、例えば渋滞中など後席に座る家族などが退屈しないように動画視聴や昨今流行りのストリーミングメディアプレーヤーとの接続、さらにオンラインゲームも楽しめると説明している。

 どこまで楽しむかは所有者の好みだが、とにかく移動中は基本受信性能が低下するのは明らか、ならばということで、前述した3回線を使い、海ほたるPAから東京湾アクアラインの海底トンネルを走行、そこでYouTubeの動画が本当に視られるのか、そしてその際の通信速度はどうなのか? を基本にテストしてみた。

 まずiPhone8だが

 「下り:7.56Mbps、上り:4.54Mbps」と思っていたより高い速度が出た。

 実際の動画視聴に関しては画質は自動設定に任せた。1080pでも配信させているアニメだが、画質自体は低下してもコマ落ちや動画が停止するのは微々たるモノ。YouTubeによれば動画の解像度はHD1080pでも5Mbpsを「持続的な推奨接続速度」としている。

 前述したアニメは自動設定だったこともあり、360pで再生されていたが、基本は視聴には十分耐えられるレベルであった。

 次にMVNOだ。

 「下り:0.73Mbps、上り:0.95Mbps」。都内ならばもっと速度が出るし、普段このような低速ぶりはそうはお目にかかれない。

 しかし数字というのは残酷なものである。数値だけでなく、YouTube動画は止まりまくり、である。これでは正直話にはならない。

 自分の中では使っているMVNO(5回線契約している)の中でも早い部類のものを持ってきたのだが、移動時にはあまり勧められない。何よりも使えば使うほどパケットは消費することを忘れてはいけないのだ。

 さて注目の「DCT-WR100D」である。こちらは

 「下り:38.7Mbps、上り:6.82Mbps」という、十分納得できる数値をたたき出した。

 もちろんこれ、トンネルの中である。インフラの話は後述するが、自動設定での画質は720p、つまりHD画質で視ることができた。ましてや接続する端末の画面サイズがiPhoneより大きいのにその美しさは数ランク上、当然なのかもしれないが、トンネルを抜けるまで画質は安定。コマ落ち、停止ともゼロだった。

■同じドコモ回線だが「DCT-WR100D」はやはり違う

山奥という環境下でも、高い通信速度を実現。さらに真冬や真夏の過酷な室内においても動作する耐熱性も備えている

 今回のテストは基本全てドコモ回線によるものだ。もちろん接続する端末によって実行通信速度は変化するが、数値より重要なのはせっかく動画などに「没入」しているのに、それが途中でブチッと切れてしまった際のガッカリした気持ちは誰もが経験しているのではないだろうか。

 「DCT-WR100D」はドコモのLTEデータ回線を使うことで、全国エリアでの安定した利用を可能にしている。前述したトンネルなどのインフラ整備も日々進化している。

 それ自体は同時にテストした端末でも同じだが、わかったことは「移動という過酷な通信環境下でも「DCT-WR100D」は安定した接続が可能」ということなのだ。

 そして何よりも同時接続5台、通信料制限無し! ということが最大の魅力だろう。

 前述したようにオンラインコンテンツも含めた動画視聴やゲームの通信量は結構バカにならない。

 昨今では事前に契約した通信料を超える前にメールで知らせてくれるので、昔のように「パケ死」するケースは大分減った。しかし、コンテンツの充実や画質向上などが今後も続く中、通信料の制限無しは何よりも魅力だろう。

 また車載専用に開発されていることで他のカロッツェリアの商品同様に「-10°~+60°」という動作環境を実現している点も大きな魅力だ。

 余談だが、筆者は昔これで夏場にナビ代わりに使っていたタブレットを数台壊したこともある。それだけ車内の環境は厳しいという証明なのだが「DCT-WR100D」は普段の使用において安心して使うことができるはずだ。

※車載専用のため「DCT-WR100D」は「エンジン始動後停車時で30分」「走行中」「走行後停車(エンジンON)で60分」で作動。

■ディスプレイオーディオとの相性の良さ

スマートフォンをディスプレイオーディオに接続して、車載スピーカーから音楽を楽しめる

 今回、試乗したデモカー(日産リーフ)には前述したようにカロッツェリアのディスプレイオーディオ「DMH-SF700」が装着されていたが「DCT-WR100D」とのマッチング(相性)が非常に良いことを再確認した。

 「DMH-SF700」はスマートフォンを接続することでそれぞれに内蔵するアプリをディスプレイ上でコントロールできる商品だ。

 例えばカーナビアプリを使う場合、接続されるスマホは常時通信状態(アプリによる)となるケースが多い。ナビのアプリ程度ではそれほどパケットは消費しないが、ここでサブスクリプションの音楽配信サービスなどを多用し、スマホ全体で合算すればそれなりの通信料を消費することになる。

 そこで「DCT-WR100D」の出番である。前述した「DMH-SF700」で使うスマホのデータ通信量を全て「DCT-WR100D」に任せるのである。

 元々データ通信制限無しの「DCT-WR100D」である。スマホの「データ通信」をオフにしてWi-Fiで「DCT-WR100D」に接続する。

 スマホによってはデータ通信接続しないとGPSが動かないものも存在するが、少なくとも今回、iPhone上でApple CarPlayを使いカーナビのスマホアプリである「カーナビタイム」やAndroid端末でAndroid Autoを使い「Yahoo! カーナビ」を使った限りはデータ通信オフ&Wi-Fi接続で動作した。

 同時にサブスクの音楽も消費ゼロで楽しむことができた。

 ディスプレイオーディオを持っていない人でスマホやタブレットをナビ代わりに使っている人にも同様に使用できるのでこの点でもメリットは大きい。

■最大の悩み? 多彩な通信プラン

使い方にあわせて選べる料金プランを設定。本体裏の2次元バーコードを読み取って、簡単に利用開始できる

 「DCT-WR100D」の価格は2万5000円(税別)で本体は買い切り。ここに通信プランを選ぶことで初めて使えるようになる。

 契約にはドコモの「dアカウント」が必要だが、他のキャリアを使っていても取得は可能なのでまずはこれを取得する。

 契約自体は「DCT-WR100D」裏面にある2次元バーコードをスマホで読み取れば専用の申し込み画面が出てくるのでそれに沿って契約すれば良い。ちなみに支払いは登録したクレジットカードやdポイントで支払うことができる。

 筆者の場合は「dカード(クレジットカード)」を所有しているのでこれを使っている。何よりもdポイントも溜まるのでちょっと嬉しかったりするわけだ。

 ここまで善し悪しも含めて「DCT-WR100D」について書いてきたが、最大の悩みはやはり「通信プランの選択」だろう。

「DCT-WR100D」は下記の3プランが用意されている。
365日 1万2000円
30日   1500円
1日    500円

 パイオニアによれば365日プランを2年間契約した場合、1ヶ月あたり実質の負担額は約2042円(本体代金+通信プランの月平均金額)で使えるとアピールしている。

 実際筆者は仕事柄、クルマので移動が多いので365日プランを選択したが、週1回しかクルマは乗らない、または今年は厳しいかもしれないが、帰省の時しか家族全員でクルマに乗る機会は少ない、なと様々である。

 モバイルルーターの場合だと月額固定のケースが圧倒的なのでかえって料金が高くつくケースもある。

 その点では「DCT-WR100D」の料金プランは多彩である。仕組みとしては契約時に「チャージ」という方法で料金プランを選ぶ。

 筆者的にまずオススメなのが、30日1500円のプランで1ヶ月契約し、実際の利用を自分で記録するのである。足りなければ365日プランに、例えば月3回しか乗らなかったのであれば1日プランを月3回だけ使うやり方もある。

 もちろんオンラインで全てを行うので事務手数料や解約違約金も基本は発生しない。ただ料金の話ゆえに解約や変更などの際は十分注意して行って欲しいのは言うまでもない。

■あれば即買い!

申し込み後に支払い手続きが完了したら、すぐにサービスの利用が開始される。今すぐ直販サイトをチェックしてみよう

 冒頭に書いたが、発売初日でアクセスが集中した「DCT-WR100D」だが、半日頑張ってなんとかアクセス、購入までこぎ着けた。しかし人気商品ゆえに「お届け時期が延びました」的なメールが来て、予定では年明けとなっていた。しかし、何故か突然宅配業者が商品を持ってきた。

 本体の決済自体ももちろん終わっているし、パイオニアからの忖度も全く無い。まあ、そういうものなのか、と思いつつ契約を進め使い始めている。短時間でのテストでは体験できなかった気づきもあるが、何よりも車内においてこれだけ多彩に携帯電話やPCを活用できることは本当にありがたい。

 「DCT-WR100D」には通信環境を安定化させるために停車中の際の一部制限条件が加わっている。細かな部分についてはカロッツェリアのホームページを見て貰った方がわかりやすいが、テスト当日も含め、普通に使う分であれば特に不便は感じなかった。

 この辺はパイオニアとNTTドコモとのアライアンスによるものだろうが、それ自体も実際のユーザーのことを考えた仕様で逆に好感を持ったほどだ。

 この原稿を書いている間でもまだまだ品薄状態が続いている「DCT-WR100D」だが、タイミングが良ければサクッと購入できるチャンスはあるはず。「機を見るに敏」ではないが、こまめにサイトなどをチェックして購入できることを祈っている(と上から目線ですみません)。

 いずれにせよ「DCT-WR100D」はこれまでのカーAV機器とは一線を画する商品。DVDを車内に持ち込む必要もなく、スマホ一つあれば車内環境は大きくグレードアップする。テクノロジーの進化と共に生活様式の変化に適応した画期的な商品であり、素直に「購入して良かった」と思えたのである。

※商品の詳細はこちらをご覧ください「クルマの中でWi-Fi使い放題!! 動画もネットもばっちりの便利アイテム登場!!」

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