■本当に快適なのか、その1(山奥)
「DCT-WR100D」をテストするに辺り、事前にテスト場所と比較する通信環境を用意した。
まず、その1は普段出張で行く機会が多く、通信環境が良くないことを知っていた千葉県内の山奥を選んだ。千葉県出身の筆者がディスるつもりはさらさらないが、ここは本当に電波環境が厳しい。
携帯電話での通話や、ちょっとした仕事でファイルをダウンロードして確認しなければならないことも意外と多く、要は出張先の車内で「サクッとビジネス」できるのか? を試してみたかったのである。
比較用に筆者が使っているiPhone8(ドコモ回線で契約)、モバイルルーター代わりにも使っているAndroid端末(ドコモ回線によるMVNO)、そして「DCT-WR100D」の3つを同じ場所と時間で試してみた。
接続速度に関してはスマホアプリとして配布されている「ドコモスピードテスト」を活用した。実際の計測速度が表示されている上に地図が表示されるが、GPSがうまく捕捉できず、山奥なのに東京湾と表示されてしまったことは先にお詫びする。
さて、この場所は前述したように中々厳しい通信環境だ。まずiPhone8だが
「下り:1.23Mbps、上り:7.54Mbps」だった。いくらiPhone8がプレミアム4Gに未対応とはいえ、この速度は厳しい。というか、この場所が厳しいのだ。事前に用意しておいたPDFファイルのダウンロードもギリギリ何とかダウンロードできるレベルだ。
次がMVNOを使った受信だ。こちらは
「下り:0.34Mbps、上り:0.81Mbps」とPDFのダウンロードなどは途中でギブアップするほど遅い。添付ファイルの無いメール確認がギリギリである。
さて注目の「DCT-WR100D」だが、結果は
「下り:12.86Mbps、上り:9.12Mbps」と前2機種とは比較にならないほどの結果が出た。
正直、iPhoneは普段もっと速度は出るはずだし、ここまで差が付くとは思わなかった。ただ、さすがにこの速度になるとwebの閲覧はもちろん、PDFのダウンロードも快適だ。
そして後日テストしたのだが、最近流行りの「オンライン会議」にも十分対応できることがわかった。
筆者的には「どこまで仕事好きなんじゃ!」と突っ込みたくなるのだが、人それぞれに理由があるし、昨今密を避けられる環境としてクルマの評価が本来とは別の意味で上がってきていることから考えても車内で会議が出来る点はメリットと言っていいだろう
実際、SAやPAなどでビジネスマンがパソコンを開いてダッシュボードの上に携帯電話を置き、テザリングを使い仕事をしている姿をよく見かける。
その日の電波状態などによって実行通信速度は変化するので確約はできないが「DCT-WR100D」を使えば安定した通信速度なので、会社への連絡や会議までもその場で済ませて、直帰することも可能になる。その点でも「働き方」を変えるデジタルツールとしても魅力的だ。
■動画が驚くほどスムーズに視られる! テストその2(海底トンネル)
電波状況が悪くても停車状態であれば、ある程度は受信ができるが、これが文字通り「移動体通信」となれば環境はもっと厳しくなる。
「DCT-WR100D」は移動中、例えば渋滞中など後席に座る家族などが退屈しないように動画視聴や昨今流行りのストリーミングメディアプレーヤーとの接続、さらにオンラインゲームも楽しめると説明している。
どこまで楽しむかは所有者の好みだが、とにかく移動中は基本受信性能が低下するのは明らか、ならばということで、前述した3回線を使い、海ほたるPAから東京湾アクアラインの海底トンネルを走行、そこでYouTubeの動画が本当に視られるのか、そしてその際の通信速度はどうなのか? を基本にテストしてみた。
まずiPhone8だが
「下り:7.56Mbps、上り:4.54Mbps」と思っていたより高い速度が出た。
実際の動画視聴に関しては画質は自動設定に任せた。1080pでも配信させているアニメだが、画質自体は低下してもコマ落ちや動画が停止するのは微々たるモノ。YouTubeによれば動画の解像度はHD1080pでも5Mbpsを「持続的な推奨接続速度」としている。
前述したアニメは自動設定だったこともあり、360pで再生されていたが、基本は視聴には十分耐えられるレベルであった。
次にMVNOだ。
「下り:0.73Mbps、上り:0.95Mbps」。都内ならばもっと速度が出るし、普段このような低速ぶりはそうはお目にかかれない。
しかし数字というのは残酷なものである。数値だけでなく、YouTube動画は止まりまくり、である。これでは正直話にはならない。
自分の中では使っているMVNO(5回線契約している)の中でも早い部類のものを持ってきたのだが、移動時にはあまり勧められない。何よりも使えば使うほどパケットは消費することを忘れてはいけないのだ。
さて注目の「DCT-WR100D」である。こちらは
「下り:38.7Mbps、上り:6.82Mbps」という、十分納得できる数値をたたき出した。
もちろんこれ、トンネルの中である。インフラの話は後述するが、自動設定での画質は720p、つまりHD画質で視ることができた。ましてや接続する端末の画面サイズがiPhoneより大きいのにその美しさは数ランク上、当然なのかもしれないが、トンネルを抜けるまで画質は安定。コマ落ち、停止ともゼロだった。
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