オデッセイの対抗馬として登場も1代で消滅 トヨタ ガイアの挑戦【偉大な生産終了車】

■5ナンバーならではの取り回しの良さは支持されるも… ガイア消滅の背景

 大トヨタが「打倒オデッセイ!」のため送り出したガイアが、さしたる人気モデルにはならないまま、1代限りで消滅してしまった理由。

 それは、ひとつには「5ナンバーサイズにこだわったこと」であり、もうひとつは「志の低さ(初代オデッセイの後追いでしかないこと)を消費者に見透かされてしまったから」ではないかと思われます。

 まずは5ナンバーサイズ問題について。

 トヨタとしては良かれと思い、確信をもって採用した「5ナンバーサイズ」でした。

 そして実際ガイアは、5ナンバー枠内でありながら初代イプサムより全長および全高を延ばしたことで、イプサムの弱点であった「3列目の狭さ」「荷室の狭さ」はそれなりに改善されています。

ガイアの内装。イプサムにはない2列目キャプテンシートが選べた
ガイアの内装。イプサムにはない2列目キャプテンシートが選べた

 またイプサムにはなかった「キャプテンシートの6人乗り仕様」というのも、高級感を売りにするガイアには合っていました。

 しかし「しょせんは」と言ってしまうと言葉は強すぎますが、まぁどうあがこうとも5ナンバーサイズでしかないことは間違いありません。

 そのためガイアは、3ナンバーミニバンほどの「快適な広さ」を実現することはできず、高級と感じられる車にはある意味必須な大排気量エンジンも搭載できませんでした。

 それゆえ、冒頭でも申し上げましたが「いささか中途半端な感じ」になってしまったのです。これが、ガイアの主な敗因ではあるはずです。

 そして「志の低さ(初代オデッセイの後追いでしかないこと)」も、ガイアという車の問題点だったかもしれません。

 ガイアのベースとなった初代イプサムは、その客観的な評価はさておき、少なくとも「今までにないデザインを作り上げたい」的な思いは感じられるミニバンでした。

 しかしガイアは、まぁ初代イプサムもそうなのですが、イプサム以上に「初代オデッセイがバカ売れしてるから、それと似たモノを作りました」という部分が大いに垣間見えてしまう車でした。

 そのあたりをユーザーは意識的あるいは無意識に感じ取り、言葉は悪いですが「パチモノより本物を選びたい」ということで、ホンダ オデッセイのほうを選択したのかもしれません。

 まぁトヨタの場合は「ホンダ ストリームに対するウィッシュ」という成功例(?)もあるので、なんとも言えない話ではあるのですが……。

■トヨタ ガイア主要諸元
・全長×全幅×全高:4620mm×1695mm×1675mm
・ホイールベース:2735mm
・車重:1420kg
・エンジン:直列4気筒DOHC、1998cc
・最高出力:135ps/6000rpm
・最大トルク:18.5kgm/4400rpm
・燃費:11.6km/L(10・15モード)
・価格:227万円(1998年式 Lパッケージ)

【画像ギャラリー】新しいコンセプトと5ナンバーの間で揺れた?? “全能”ガイアの写真を見る

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