■3代目の悲劇
同族経営の会社の場合、「3代目が会社を滅ぼす」というのはよく言われることだが、実はクルマにとっても3代目は鬼門になっている。まずは消滅組から。
トヨタカルディナは、打倒スバルレガシィを掲げて登場したワゴンだったが、レガシィの牙城は切り崩せず3代で退散。
CR-XデルソルはFFスポーツからオープンスポーツへ、プリメーラは大型化したうえにデザインテイストがガラリと変わるなど、渾身のコンセプトチェンジが仇となって消滅してしまった。
ティアナはインテリアに新たな提案を盛り込んだ初代が大ヒット。続く2代目は可もなく不可もなく無難に過ごしたものの、3代目で存在意義を失いこれまた消滅。
ここで紹介する中で唯一3代目が生き残ったパジェロ。しかし今思えば大ヒットしたモデルの次のモデルは難しいと言われるとおり、豪華に大型化したのが裏目に出た。パジェロは4世代続いたものの、3代目が凋落へのトリガーを引いて、存在感が薄れるきっかけとなった。
■因縁の対決の終焉となったターニングポイント
三菱ランエボ、インプレッサが切磋琢磨して毎年のように進化していたのは、市販車ベースで闘うグループA時代のWRCで勝つため。三菱は2005年限り、スバルは2008年限りでWRCから撤退したのが大きなターニングポイントとなった。
スバルはニュル24時間に活路を見出し、進化の手を緩めなかったが、ランエボXは高性能ながら、半ば進化を放棄したかたちになり、2015年に惜しまれながらモデル消滅してしまった。
■ビッグネーム凋落のターニングポイント
日産スカイラインが、「日本人の心のクルマ」と言われて注目されていたのも今や昔。スカイラインは1985年のR31以降、R31不人気、R32大人気、R33不人気、R34人気と、浮沈を繰り返してきたが、V35の登場以降は低空飛行が続いている。直6からV6、デザインテイストの大幅変更などが受け入れられなかった。
スバルレガシィ=ワゴンのイメージが強かったが、3代目で「B4」と名乗ってから人気セダンとして君臨。しかし、北米マーケットからの要望により大型化した5代目で大きく失墜。この5代目登場を機に存在感が大きく薄れ、2020年7月日本での販売を終了。
初代でミニバンブームを築いたホンダオデッセイは、ブームが下火になりながらも、低い全高で走りを大幅進化させた3代目で大健闘。しかし4代目は代わり映えしなかったのが敗因となり、存続の危機となった。中国市場向けに開発されたモデルをオデッセイとして日本でも販売することで延命となったが、事態は好転せず。
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