■なぜマイクラの日本導入はない!? 海外市場も含めた日産に求められる変化
ちなみに欧州で売られる日産『マイクラ』は、カッコよくてスポーティなコンパクトカーだ。全幅は1743mmと少し幅広いが、全長は3999mmに収まる。日本に導入しない理由を日産に尋ねると以下のように返答された。
「魅力的なコンパクトカーだが、エンジンのタイプ(直列3気筒1Lターボ)などを含め、国内市場に合わない点も少なくない。対応させるにはコストが高まる」
この理由は、『2代目ジューク』を日本で販売せず、『キックス』に変更した時と同じだ。日本で売るなら、開発段階から対応する必要がある。
また日産のメキシコ法人は、2021年1月末に、3月から販売を開始するマーチのマイナーチェンジを発表した。
Vモーショングリルを採用して、フロントマスクがキックスなどに似ている。ただしボディサイドは従来と同じく円弧を描く丸みのあるデザインだから、ボディ全体の造形バランスはよくない。今後も売り続けるためにフロントマスクを大幅に変える手法は理解できるが、人気を継続的に保つには、内外装の質、安定性、操舵感、乗り心地などを全般的に向上させる必要がある。
あるいは、業務提携を結ぶルノー『トゥインゴ』のOEM車をマーチとして販売する方法もあるだろう。トゥインゴはすでに日本で売られ、全長が3645mm、全幅は1650mmだから、5ナンバーサイズの枠内に収まってマーチの位置付けにピッタリだ。視界の優れた可愛らしい外観もマーチのイメージに合う。粗さの目立つ現行型を細々と売り続けるより、ユーザーのメリットになりはしないだろうか。
1992年に発売された2代目マーチは、当時としては上質な小型車で、抜群に優れた視界とバランスの取れた外観の見栄えを両立させていた。見事な工業デザインであった。マーチは多くのユーザーに愛されたクルマだから、優れた商品に生まれ変わって欲しい。
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