マークIIから数え51年 トヨタがマークXに終止符を打った理由【偉大な生産終了車】

■2019年生産終了 その背景にはクラウンの影が

 おやじセダンと化したマークIIからの脱却を図り、当初はスポーツセダンとしてそれなりに成功しそうにも思えたマークXが、結局は2代限りで廃番となってしまった理由。

 それは、基本的には「セダン人気の凋落」と「トヨタ販売網の再編」という2つの理由に尽きます。

生産中止にあたり発売され人気となった特別仕様車の「ファイナルエディション」
生産中止にあたり発売され人気となった特別仕様車の「ファイナルエディション」
同じく「ファイナルエディション」の内装
同じく「ファイナルエディション」の内装

 トヨタにはマークII/マークXのほかに「クラウン」というFRセダンの超王道がありますが、以前は「快適な最上級車種であるクラウン」と「そのちょっと下のクラスであるマークII」、あるいは「ちょっとスポーティなマークX」ということで棲み分けができていました。

 というか、そもそも昔はトヨタ販売網には複数のチャネルがありましたので、「クラウンはトヨタ店の専売モデル」「マークXはトヨペット店」という形での単純な棲み分けも行われていました。

 しかしご承知のとおりトヨタは近年、販売網の再構築をスタートさせ、2018年11月には「販売チャネルを統合する」と発表しました。

 そうなるとクラウンおよびマークXという2つのFRセダンが、同じ販売拠点に並ぶことになります。

9代目マークIIの全長×全幅×全高 4735×1760×1460mmから4730×1775×1435-1445mmへと、特に全高を抑え、よりスポーティなエクステリアイメージを作り出したマークX。しかし、その歴史も2代目で潰える
9代目マークIIの全長×全幅×全高 4735×1760×1460mmから4730×1775×1435-1445mmへと、特に全高を抑え、よりスポーティなエクステリアイメージを作り出したマークX。しかし、その歴史も2代目で潰える

 もしも「車といえば絶対セダン!」みたいな時代であったなら、同一拠点に2種類のFRセダンを置いても、特に問題はなかったのでしょう。

 しかし価値観が多様化して「セダンが売れない時代」になったからには、どちらかを「切る」以外に、メーカーやが生き延びる方法はないのです。

 そのとき、メーカーはクラウンを切ることができるでしょうか?

 ……まず無理ですよね。その良し悪しや好き嫌いはさておき、トヨタ クラウンというのは唯一無二の特殊な立ち位置にいる車ですから、一定数の需要は「絶対かつ確実に」見込めます。

 そんな車を簡単に廃番にすることはできません(まぁそのクラウンも、次期型はSUVになると噂されているわけですが)。

 しかしマークXは、残念ながら「唯一無二の存在」ではありませんでした。

シリーズ合計では51年間で688万1500台、歴代モデルを通して年平均13万5000万台/年を売り上げたマークII/Xは、まぎれもなく自動車史に名を残す偉大なクルマだ
シリーズ合計では51年間で688万1500台、歴代モデルを通して年平均13万5000万台/年を売り上げたマークII/Xは、まぎれもなく自動車史に名を残す偉大なクルマだ

 かなりのスポーティ志向に変貌してきたクラウンとある部分でカブり、輸入車にまで目を広げればBMW 3シリーズやメルセデス・ベンツ Cクラスなどの、たぶんマークX以上に優秀なFRセダンがあり、さらに自社には「カムリ」という存在もあります。

「FRのマークXとFFのカムリではぜんぜん違うだろ! バカかこの筆者は!」という批判もあるでしょう。

 それはそのとおりで、おっしゃりたいことはよくわかります。

 しかし「FRレイアウトだからこその魅力」「ハイブリッドでは味わえない、純内燃機関ならではの味わい」みたいな部分にこだわる人の数が少なくなり、そういったユーザーを優遇したところでビジネスが成り立たない世の中になったからこそ、マークXは消滅したわけです。

 つまり時代が変わったのです。そのこと自体の是非はさておき。

■トヨタ マークX(2代目) 主要諸元
・全長×全幅×全高:4770mm×1795mm×1435mm
・ホイールベース:2850mm
・車重:1520kg
・エンジン:V型6気筒DOHC、2499cc
・最高出力:203ps/6400rpm
・最大トルク:24.8kgm/4800rpm
・燃費:11.8km/L(JC08モード)
・価格:320万7600円(2016年式 250S)

【画像ギャラリー】51年と15年 トヨタ マークIIとマークXの歴史を画像で振り返る

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