■カタログモデルも一見さんはお断り!?
希少性の高い限定モデルは、発表後たちまちプレミアムがつき、販売価格の二倍、三倍となることも珍しくない。であれば、シリーズモデルを買い続けても損はしないという計算も成り立つ。
例えば直近のスペチアーレであったラ・フェラーリ・アペルタなどは新車価格が4億円近かったというが、その倍以上の値をつけたこともあった。そういう話であれば、借金してでも飛びつきたくなるのは当たり前で、富裕層はシリーズモデルをせっせと買い始めるわけだが、そこにも生産台数の限界がある。
それゆえ今ではカタログモデルの新型車をディーラーと付き合いのない客がいきなり買うことすらままならない。
まずは中古車からお付き合いを始めましょうとなって、必然的にフェラーリの相場は高値で安定し、そのことがまた新型車の人気を押し上げ、さらに特別仕様車の価値をいっそう引き上げるという好循環ビジネスモデルが実現するというわけだ。
■フェラーリほど成功しているスーパーカーはない!
それゆえフェラーリは、例えば日本マーケットの参入50周年記念モデル(FJ50)や、スクーデリアフェラーリの90周年記念モデル(SF90)といったありとあらゆる“口実”を見つけ出しては特別仕様を企画し、それらもまた高い価値をキープすることになる。
ちなみにフェラーリのロードカーで最も購入が難しいとされているのは、年に一台のみ生産されるワンオフモデルである。
最新モデルの高評価に伴ってクラシックモデルの評価も上がる。減ることはあっても増えることのないクラシックモデルは、相変わらず高値で安定しており、例えば前述のF40は1.5億円程度、F50に至っては3億円以上というのが相場である。
もっともF40などはバブル期に2.5億円で売買されたこともあったが。
スーパーカーブランドは数あれども、フェラーリのようにすべての歯車が上手く回っているケースはほかにない。スーパーカーの相場トレンドが下降気味と言われる最新状況にあっても、フェラーリの相場だけは強含みで推移している。
スーパーカー業界のリーダーはフェラーリということである。
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