■エンジンオイルのチェックはどうする?
エンジンオイルのチェックの方法は? もっとも重要なのが量の確認だ。その方法は以下の順序になる。
1.クルマを水平な場所に止める
2.エンジンオイルがオイルパン(エンジンオイルが溜まっているところ)に戻るまで数分待つ
3.レベルゲージを抜きペーパータオルやウエスなどで拭き、レベルゲージを戻しもう一度抜いてゲージのロアとアッパーの間にあればとりあえずOK
※輸入車ではレベルゲージがなく、車内のモニターで確認できるクルマもある。
ただし、暖気のためのファーストアイドル中(特に冬場)は非常に濃い燃料をシリンダー内に吹くことによって、燃え残ったガソリンがエンジンオイルに混ざる希釈現象が起こり、エンジンオイルの量が増えるケースもある。これによってエンジンオイル量が増えた場合は、オイル交換を考えたほうがいい。
エンジンオイルの量はガソリンによる希釈の確認も含め、週に1度くらい確認したいところだ。なお、ガソリンによるエンジンオイルの希釈は匂いによって確認できることもある。
またエンジンオイルの量がレベルゲージのアッパー以上になった、入れすぎ状態は特に直噴エンジンだと燃料をシリンダーに吹くインジェクターにスラッジが付くなどのトラブルの原因にもなるので厳禁だ。
■どんなオイルを入れるといい?
オイル選びはどうするべきか? まずは粘度(0W20などと表記されるエンジンオイルの硬さ)と規格(SNなどと表記される性能)が、そのエンジンに合っている純正エンジンオイルを選んでほしい。
純正オイルが、良質なベースオイルを使っていて、それがもっとも高性能な化学合成油なら、それが基本的にはベストと考えればいいだろう。
もし純正オイルが化学合成油でなかった場合、つまり価格優先の鉱物油や、化学合成油と鉱物油のブレンドである部分合成油の場合には純正オイルではなく、ディーラーで進めているオイルであれば、社外品の化学合成油を使うのもお薦めだ。
というのは、化学合成油はクルマを使わないサイクルが長くなった際のシリンダーからのオイルの落ちにくさ(エンジンを始動する際の痛みに大きく関係)や、前述したガソリンによるエンジンオイルの希釈やエンジンオイルが高温になった際の強さ、劣化のしにくさといった面で優れている。
化学合成油は価格が高くてもそのぶんメリットは多く、納得のいくものだといえる。
また、愛車の取り扱い説明書に記載されている粘度や規格にあった化学合成油であれば、好みのブランドなどから社外品を選ぶのもいいだろう。
ただ特にスポーツエンジンを搭載モデルではトヨタGRヤリスの1.6Lターボのようにまだ社外品が少ない「SP」という最新の規格を指定しているものや、日産GT-Rのように「エンジンオイルは説明書に記載されたモービルかモチュールのものに限る」というモデルもあるので、社外品を使う場合には注意が必要だ。
■エンジンオイルの交換サイクルは?
では、エンジンオイルの交換時期の目安はどうなのか? 普通に使っているクルマなら、取り扱い説明書に記載される「1年または1万5000kmの早いほう」といった推奨される時期より若干早い、その八掛けくらいのサイクルで替えれば問題ない。
注意したい使い方は2つで、まずサーキットなどでのスポーツ走行を行った際には油温がかなり上がるので、エンジンオイルは速やかに交換したほうが無難だ。
もうひとつは取り扱い説明書に記載されるシビアコンディションに該当する場合だ。
シビアコンディションの代表的なものとしては、エンジンの負荷が大きい上り坂の走行が多い、雪道での走行が多い、8km以下を基準とした近距離の使用が多い、30km/h以下の低速走行が多い、アイドリングが多い、といったものが挙げられる。
特に近距離での使用が多いと、エンジンオイルの温度が適温となる80度以上まで上がりにくい。するとエンジン内部で水蒸気が起き、その水蒸気は油温が上がらないと蒸発せずにエンジン内部に残るため、エンジンオイルの劣化を早めてしまうのだった。
シビアコンディションの場合エンジンオイルの交換サイクルは通常の使用の半分の走行距離、期間(推奨されるのが1年または1万kmの場合は半年または5000km)となるので、頭に入れておくといいだろう。
最近のクルマの整備のサイクルの頻度は長くなっているが、クルマを長く快適に使うためエンジンオイルにも気を使ってほしい。
コメント
コメントの使い方