ターボ車も100km/hを超えると加速が弱まる
しかし、本題はそれ以上だ。100km/h→120km/hへの加速である。これはターボといえども時間がかかる。スーパーハイト系はやはり空気抵抗が大きい。スーパーハイト系でない背の低いモデルならそれほど苦にはならないはずだ。
ただしターボ車は100km/hまでの加速がいいので、その加速力が120km/hまで続くものだと錯覚させられてしまう。そのためターボ車は、かえって遅く感じてしまうのだ。これがドライバーの焦りと疲労を生むのかもしれない。
この点、NAエンジン車だと100km/h到達までもそれほど速くないから、「120km/hまでこんなものか!?」と諦め半分になれる。それがいいか悪いかは別の話ではあるが……。
路面がよくカーブもそれほどキツクないから重心高の高いスーパーハイト系にもコーナリングは優しい。120km/hでの高速直進性も最近のスーパーハイト系であれば問題ないレベルだ。ただし、風が吹けば話は別になる。
高速走行時の軽自動車は風に弱い
新東名はからっ風と呼ばれる、山から吹き下ろす風が恒常的に吹くらしい。試乗した日は特にきつかった。この横風にスーパーハイト系は非常に弱い。
まぁ安心して走れるのは80~100km/hまでだ。120km/hになると俄然状況は変化する。自立直進性が弱くなり風による外乱で細かくワンダリングする。しっかりステアリングで補正する必要がある。風は変化するから、少しよくなったかと思うと突然揺すられたりする。特に下り坂では安定感が薄くなる。
とにかく片手運転で安心して走れるようなレベルではなかった。また大型トラックを追い越す際にも同じように、追い越した瞬間の横風にドキッとすることもあった。
最新の軽自動車は安全だが古いモデルは注意したい!
これに関して試乗車にはADAS(運転支援)のACC(アダプティブクルーズコントロール)とLKA(車線維持支援システム)が装備されていたのだが、これをONにして走行すると驚くほどドライバーの修正舵を必要とせず、かなりしっかりと高速直進することができたのだ。
ただし軽自動車ゆえに設定できる最高速は115km/h。残りのプラス5km/hは、ドライバーが右足で加速させればLKAは作動したままで車線内をセンターリングして走行できた。ま、これは裏ワザ的なもので、メーカーは推奨しないだろうが。
今回は最新のスーパーハイト系軽自動車での走行だった。これが5年前、10年前、15年前の軽自動車へと遡るにつれて、安全ではなくなることは容易に想像できる。
スーパーハイト系とそうでない軽自動車では走行性能にも大きな差があることも予想できる。スーパーハイト系に乗る人はくれぐれも注意して運転していただきたい。
最後に、NAモデルはそれほどではなかったが、ターボモデルはあきれて開いた口がふさがらないほど燃費が悪化した。その詳細は2月26日発売のベストカー本誌を見ていただきたい。
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