■コロナ禍前に横行していたアルファードころがしとは?
コロナ禍前では、“アルファードころがし”という行為が横行していた。海外(おもにアジアやロシアなど)でも人気の高いアルファードは多くの国で正規輸出し販売されているのだが、車両価格は軒並み1000万円を超えるものとなり、“超富裕層”といっていいひとたちが愛好しているケースが多い。
このようなひとたちはまさに“金に糸目はつけない”ので、通称“キノコミラー(海外仕様にはない)”のついた日本仕様に乗りたいというひとも多く、日本でいったん登録されたりしたアルファードが、おもに中古車として輸出され海外で人気にもなっている。
そのため、短くて半年ほどでアルファードからアルファードへ乗り換えていく行為が“アルファードころがし”と呼ばれ、転がされたアルファードがおもに海外へ輸出されていくようである。
正規のトヨタ系ディーラーでも話をふれば、セールスマンが“転がし方”を指南してくれることもあるようだし、専門業者だけでなく“ご近所ネットワーク”で、そのリーダーの指示に従い、“転がし”を行っているとも聞いている。
ただ、新型コロナウイルス感染拡大以降は、“転がし”が思うようにいっていないとの話もある。
アルファード転がしに加担せずとも、一般の中古車市場でも当然リセールバリューは高めで安定している。しかも、もともとミニバン全体でも低年式(古くなる)となっても引く手あまた状態で値落ちスピードが遅めの傾向にある。
さらにアルファードでは、ニュース映像などを見てもらえば一目瞭然だが、モンゴルやロシア、ミャンマーあたりでは初代がブレイク(とくにハイブリッド)しているので、ミニバンの中でも値落ちスピードは遅くなっている。
■アルファードは中古相場も高め
ちなみに、大手中古車検索サイトで検索すると、17年落ち(2004年式/初代)の3L 4WDで走行距離3.4万kmのパールホワイト車で79.9万円というプライスがついていた。
まったく同じではないが、同年式でほぼ同じ走行距離のエルグランドが69.8万円となっている。ミニバン全体の相場の高さにも驚かされるが、アルファードはライバルより、相場が高めに推移しているようである。
アルファードのこのあたりの情報が広く伝わっていることも、アルファード人気を支ええているのは確実。しかも、新車購入時には値引きも破格の条件が出やすくなっている。
装着オプションも多くなるので、支払い総額で500万円を超えることも珍しくないのだが、年度末セールのような“増販期”となると、70万円引きなどもそれほど珍しくなく提示されることが多い。
販売現場で聞くと、現金一括払いで購入する人は少なく、たいていはローンを利用し、フルローンも珍しくないとのこと。
今どきは残価設定ローンの利用がほとんどとなるが、リセールバリューの良いアルファードは、支払い最終回分として据え置く3年や5年後の当該車の残価相当額が高く、月々の支払い負担も軽減される。
金額は“ノア系ミニバンの月々の支払い額にちょい足しレベル”になるとのこと。そのため、ノア系からアルファードに購入車種を変更するひとも多いようだ。
走行距離が伸びて過走行気味にクルマを使うひとや、使い方が荒くクルマに“生傷の絶えない”使い方をするひと以外では、残価設定ローンを使っての新車購入はかなりお買い得度が増しているといえよう。いまのところ納期も短めで推移しているとのこと。
残価設定ローンでは、残価据置き分となる支払最終回の精算では現金だけでなく、車両返却や同一メーカー車への乗り換え(代替え)での精算も可能。
つまり、月々の支払い負担が軽いだけでなく、残価据置き分の精算のために現金を用意する必要もなくなるのである。
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