光量の減衰ぶりと実際の使用感で夜用のサングラスなどさまざまな商品を比較
そんな状況から最近は夜間のドライビングに適したサングラスなど、専用のドライビングギアが充実してきた。そこで、さまざまな種類の製品を実際に試して、その効果とデメリットなどを考えてみたい。
クルマの乗り心地なども人によって好みや感じ方が大きく違うように、眩しさの感じ方も個人差がある。そこで今回は実際にどれだけ光量を抑えているのか計測し、さらに実際に夜間走行時に装着して、使用感から眩しさの軽減ぶりなどをレポートすることにした。
どれだけ光を遮ってくれるのかは強力なLEDライトを照射して、透過した光を測定することによってどれくらい低減しているか判断した。厳密には特定の波長の光だけをカットしているほうが、視界を確保して眩しさを軽減してくれることは間違いないが、それを計測するには特殊な測定器具が必要となるので、今回は照度計による簡易計測とした。
まず試したのはサンバイザータイプの防眩グッズである。これは純正のサンバイザーに装着して、使用時には引き下ろして視界をカバーするというもの。対向車のライトをカバーするように取り付け位置を調整して装着した。
照度計による計測では、およそ40%も光量が低減している。サングラスであれば、これは夜間には使用できないほどの透過率だ。ちなみに夜間運転のメガネとして使用できるのは透過率75%以上であることが、JIS規格で定められている。
バイザータイプの製品にはあまり期待していなかったのだが、実際に走行してみると意外と快適だ。フィルターとしては黄色が濃い印象だったが、サングラスと比べると眼から距離があるため暗さは感じにくく、それでいて対向車のヘッドライトの光はしっかりと減衰してくれる。バイザーがカバーしている以外の視界は暗くならないため、境界の色の変化に慣れるとかなり快適に感じた。
難点は意外と大きく重く取り付けが手軽とは言えず、またバイザーにはそれほど強度がない車種も多く、しっかりと取り付けるのに不安がある場合もあることだ。
それとバイザーの位置やドライビングポジションによっては圧迫感を感じることもある。特に昼用と夜用の2枚のバイザーを使い分けるタイプで、バイザーが回転しないタイプは、昼用のバイザーを使っている時には夜用のバイザーは手前に倒していなければならず、その先端がドライバーに近付くのは気になる。
今回は回転するタイプを装着したが、RV用の高さが若干大きいタイプを装着したので、余計に圧迫感はあったようだ。それと当たり前だが、後続車両のハイビーム攻撃にはまったく効果がないのも、デメリットに入るだろう。
イエローレンズの昼夜使える多機能タイプのサングラス
次に試したのはイエローレンズであるだけでなく偏光フィルターも備え、さらには調光レンズとして昼夜使える多機能なタイプのサングラスだ。
某大手ECサイトで購入したものだが、中国製の聞いたこともないブランドで、価格は2000円少々。しかし、ハードケースとソフトケース、メガネ拭きに加えて、偏光確認用のカードと調光確認用の紫外線LEDライト、調整用のドライバーまで付属する充実ぶり。
夜用ドライビンググラスとしてだけでなく、スポーツや日常的な使い方まで広く対応してくれそうだ。しかし、屋内とはいえ昼間ながら透過率はおよそ35%程度。
完全に夜間の光だけで計測してみないと判断はできないが、夜間に使用するドライビンググラスとしては、ギリギリの透過率と見てよさそうだ。
装着して夜間走行してみると、他のイエローレンズのサングラスより、色の自然さは感じられる。これは調光レンズということもあって、若干スモークがかった黄緑色のようなレンズカラーも影響していると思われる。若干、視界の暗い部分がより暗くなる印象はあるが、見やすくなることで全体的には視界を改善してくれる。
バイザータイプ同様、眩しさの軽減効果は高く、対向車のライトで顔をしかめることはほとんどなくなる。バックミラーに映る後続車のライトも気にならなくなった。
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