■日産/RB26DETT+R34型スカイラインGT-R(1999年)
■エンジン形式:2.6リッター直6DOHCツインターボ
■搭載車種:R32型からR34型までのスカイラインGT-R、初代ステージア260RS
■登場時のスペック:280ps/6800rpm、40.0kgm/4400rpm
RB26DETTは1989年登場のスカイラインとしては8代目モデルとなるR32型で最強のGT-Rが17年ぶりに復活するにあたり開発されたエンジンである。
R32型GT-Rは当時のグループAレース制覇を目標としたモデルだっただけに、グループAレーシングカーがターゲットとした600psに対応する強さや6連スロットルに代表されるメカニズムに加え、市販状態でも官能的なサウンドと回転フィールを持つ点も大きな魅力だった。
なお、2600ccという中途半端に見える排気量は、グループAレースでの最低重量やタイヤサイズといったレギュレーションから最適となるものとして選ばれたものである。
1999年に登場したRB26DETTを搭載したスカイラインGT-Rとしては最後となるR34型は、R32型からR34型までのRB26DETT+アテーサET-Sというパワートレーンを搭載する第二世代スカイラインGT-Rの集大成という点が最大の魅力である。
ノーマル状態でのサーキットのラップタイムに代表される速さはインプレッサWRX STIやランサーエボリューションの台頭もあり、日本一とはいえなくなっていたが、ボディ剛性の高さやVスペックに採用されたディフューザーなどの空力パーツも貢献した安心感の高さはR34型スカイラインGT-Rらしい世界観だった。
また、RB26DETTもアフターパーツの豊富さにより、現代のパーツを使えば600馬力程度を出すことはそれほど難しくない。
さらにHKSが「600psをキープしながら、現在の厳しい排ガス規制をクリアし、WLTCモード燃費もリッター20kmを目指す」というRB26DETTの開発に着手しているなど、いまだ進化が続いている点も大きな魅力だ。
■日産/VR38DETT+現行R35型GT-R(2007年)
■エンジン形式:3.8リッターV6ツインターボ
■搭載車種:現行R35型GT-R
■登場時のスペック:480ps/6400rpm、60.0kgm/3200~5200rpm
2007年にGT-Rが復活するにあたり新開発されたVR38DETTは「レーシングテクノロジーを最大限市販車に盛り込んだエンジン」である。
その代表的な技術、特徴としては燃焼温度を上げるためエンジンブロックの補強材である鉄製のライナーを廃止し、その代わりプラズマコーティングを施し燃費とパワーを同時に向上させた点。
グループCカーに搭載された3.5リッターV8ツインターボエンジンのようなパワーバンドの広さ、200km/h巡行でも排ガスはクリーンエアで走行できる点が挙げられる。
さらにVR38DETTは毎年のように改良を受け、現在では基準車でも570馬力までパワーアップされているというポテンシャルの高さも大きな魅力だ。
現行GT-Rの魅力は0~100km/h加速やニュルブルクリンクのラップタイムに代表される速さだけでなく、「300km/hで巡行しながら会話を楽しめる」、「一週間分の荷物二人分が積めるユーティリティ」、「雪もOK」というマルチパフォーマンススーパーカーというコンセプトを実現している点。
さらに、法規を大きく超えたスピード域での衝突安全性といったGT-Rだけの世界、個性を持っていることだ。それだけにこれだけのクルマが今後出ることは世界的に見ても、もうないのはないだろうか。
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