GT-R RX-8 WRX STI…次の世代に残したいニッポンの名エンジン7選

■三菱/4G63ターボ+ランサーエボリューションIX MR(2006年)

チタンアルミ合金製タービンホイールとマグネシウム合金製コンプレッサーホイールを組み合わせた、4G63型MIVECエンジン
チタンアルミ合金製タービンホイールとマグネシウム合金製コンプレッサーホイールを組み合わせた、4G63型MIVECエンジン


■エンジン形式:2リッター直4DOHCターボ
■搭載車種:IXまでのランサーエボリューション、ギャランVR-4など
■登場時のスペック:280ps/6500rpm、40.8kgm/3000rpm

2006年8月に登場したランサーエボリューションIX MR。Mitsubishi Racingを意味するMRのネーミングを冠した熟成型で4G63ターボエンジンを搭載する最後のモデルとなる
2006年8月に登場したランサーエボリューションIX MR。Mitsubishi Racingを意味するMRのネーミングを冠した熟成型で4G63ターボエンジンを搭載する最後のモデルとなる

 4G63型エンジンはもともとの設計こそ1980年代前半という古いエンジンだが、ロングストロークなことも生かした太い中低速トルクを備えていたのに加え、ギャランVR-4とIXまでのランサーエボリューションというモータースポーツ参戦ベース車への搭載により、年々性能を高めていった。

 その集大成となるのが9.5と呼ばれることもよくあるランサーエボリューションIX MRに搭載されたもので、4G63ターボはエボIXから可変バルブタイミング機構MIVECを備えていたこともあり、武器だった中低速トルクが一層太くなっていた。

 サーキットで乗った際には「ロケットのような加速」と感じたことがある。

 また4G63ターボは設計が古いエンジンのためブロックが「重いけど強い」鉄製のため、チューニングへの対応力が高いことも大きな魅力だった。

ランサーエボリューションIX MRのリアフォルム。セダンがGSRとRS、ワゴンがGTとGT-Aそれぞれ2グレードずつ合計4グレードが発売された
ランサーエボリューションIX MRのリアフォルム。セダンがGSRとRS、ワゴンがGTとGT-Aそれぞれ2グレードずつ合計4グレードが発売された

 ランサーエボリューションIX MRはクルマ自体も4G63ターボを搭載したランサーエボリューションとしては完熟といえる仕上がりで、ランサーエボリューションをピュアなスポーツモデルとして見るならIX MRがベストな存在に違いない。

■スバル/EJ20ターボ+VAB型WRX STI(2014年)

モータースポーツで性能と信頼性を磨き上げ てきた、 2リッター水平対向ターボのEJ20ターボエンジン
モータースポーツで性能と信頼性を磨き上げ てきた、 2リッター水平対向ターボのEJ20ターボエンジン


■エンジン形式:水平対向4気筒2リッターターボ
■搭載車種:WRX STI、4代目までのレガシィなど
■登場時のスペック:308ps/6400rpm、43.0kgm/4400rpm

ドイツのニュルブルクリンク・サーキットなど、世界各国の様々な走行条件下で 走行性能を鍛え上げたVAB型WRX STI
ドイツのニュルブルクリンク・サーキットなど、世界各国の様々な走行条件下で 走行性能を鍛え上げたVAB型WRX STI

 10年ほど前までスバルの主力エンジンとなっていたEJ型は文字通り「社運を賭けた」といえる初代レガシィとともに1989年に登場し、特に初代レガシィRSとインプレッサ時代も含めたWRX STIに搭載されていたEJ20ターボはランサーエボリューションとの戦いもあり、エンジンも切磋琢磨しながら成長していった。

 EJ20ターボはランサーエボリューションの4G63ターボとは対照的にクルマへの搭載要件もありストロークが短かったこともあり、特に初代インプレッサ時代のものだと「中低速トルクに欠ける代わりに高回転域では爆発的なパワーを発揮する」という性格だった。

 そのためランサーエボリューションに比べると運転はWRX STIの方が難しい傾向だっただが、「乗りこなせたときの歓びはWRX STIの方が上」という意見も多かった。

 EJ20ターボ搭載車も最終型となった2014年登場のVAB型WRX STIの魅力は高い。EJ20ターボは2007年登場のGRB型から高回転域での爆発的なパワーを若干抑えられたものの、その代わり4G63ターボほどではないにせよ中回転域のパワーが厚くなっており、扱いやすいエンジンとなった。

ディフューザー一体型バンパーやツインデュアルタイプのテールパイプを採用した、 WRX STIのリアフォルム
ディフューザー一体型バンパーやツインデュアルタイプのテールパイプを採用した、 WRX STIのリアフォルム

 またクルマ自体もサーキットの速さに代表される絶対的な速さは2代目のGDB型がピークだったと思うが、ロードカーとしての質感は新しいモデルほど高まっている点も大きな魅力だ。

 2019年にVAB型が最終モデルとなったことでEJ20ターボも姿を消してしまったが、2019年まで30年に渡ってEJ20ターボが進化を続けながら続いたことには大きな拍手を送りたい。

次ページは : ■まとめ

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