GT-R RX-8 WRX STI…次の世代に残したいニッポンの名エンジン7選

■ホンダ/B18C 96 spec.R+初代インテグラ タイプR(1995年)

タイプR専用に開発されたB18C 96 spec.Rエンジンの最高出力200ps/8000rpmは自然吸気エンジンとして当時、世界最高峰のリッター当たり111psを実現
タイプR専用に開発されたB18C 96 spec.Rエンジンの最高出力200ps/8000rpmは自然吸気エンジンとして当時、世界最高峰のリッター当たり111psを実現


■エンジン形式:1.8リッター直4DOHC
■搭載車種:初代インテグラ タイプR
■登場時のスペック:200ps/8000rpm、18.5kgm/7500rpm

初代インテグラ タイプR。3ドアクーペと4ドアハードトップを設定した(写真は3ドアクーペ)
初代インテグラ タイプR。3ドアクーペと4ドアハードトップを設定した(写真は3ドアクーペ)

 初代NSXに続く「身近なタイプR」というコンセプトで初代インテグラ タイプRが開発されるにあたり、エンジンもベースとなる標準のDC2型インテグラに搭載されていたB18Cに大幅に手を加えたものとなった。

 具体的には圧縮比の向上、吸排気系の変更、バルブシート部分のポート研磨(初期モデルでは手作業)などが施され、出力は180psから200psに向上しており、初代インテグラ タイプRは「レーシングエンジンを搭載した市販車」といっても過言ではないモデルだった。

 初代インテグラ タイプRのエンジンは1.8リッターというそれなりの排気量があったこともあり中低速域の太いトルクと、VTECが高速カムとなる高回転域での爆発的なパワーを伴いながら官能的なサウンドを奏でるという、全回転域で楽しめるエンジンに仕上がっていた。

タイプR専用となる、フロントチンスポイラーとリアスポイラーを装着
タイプR専用となる、フロントチンスポイラーとリアスポイラーを装着

 また初代インテグラ タイプRはクルマ自体も鋭い切れ味とクルマの状態を正確に伝えてくれる豊かなインフォメーション、高いコントロール性をバランスさせており、まとめるなら「レーシングカーの市販車版」という言葉が相応しい素晴らしいクルマだった。

■マツダ/13B-MSP+RX-8(2003年)

RENESISは次世代を担うマツダのロータリーエンジンとして開発され、RX-8に搭載。マツダ初のサイドポート方式を採用しながら、RX-8にしか搭載されなかった
RENESISは次世代を担うマツダのロータリーエンジンとして開発され、RX-8に搭載。マツダ初のサイドポート方式を採用しながら、RX-8にしか搭載されなかった


■エンジン形式:NA2ローターロータリー
■搭載車種:RX-8
■登場時のスペック:250ps/8500rpm、22.0kgm/5500rpm

歴代RX-7は2ドアだったが、RX-8は実用性も考慮した4ドアを採用
歴代RX-7は2ドアだったが、RX-8は実用性も考慮した4ドアを採用

 2代目RX-7から搭載されていた13Bロータリーエンジンはターボだったこともあり、得られるパワーの割にサイズが小さい点などスポーツカーには向いた面の多いエンジンだった。

 その反面でアクセル操作に対するレスポンスの悪さ、燃費や排ガスといった環境性能といった課題も多く、ロータリーエンジンを存続させるべくRX-8の登場を期に開発されたのがNAの13B-MSPである。

RX-8の観音開きドア。4人乗りの居住性を備え、小さい子供がいるファミリーのお父さんでもスポーツカーに乗ることができた
RX-8の観音開きドア。4人乗りの居住性を備え、小さい子供がいるファミリーのお父さんでもスポーツカーに乗ることができた

 13B-MSPはNA化に加え、サイド排気などの新技術の採用により排ガス規制のクリアと良くはないものの許容できる範囲まで燃費を向上させ、ロータリーエンジンを存続させた。

 フィーリングもよく「モーターのように回る」と表現されるロータリーエンジンの魅力がNA化でより際立っており、好みは分かれるようだが、RX-8に乗っていた時期がある筆者はこのロータリーエンジンが大好きだった。

RX-8のリアフォルム。観音開きドアはフロントドアを開けないとリアドアが開けられないなど、多少不便な面もあった
RX-8のリアフォルム。観音開きドアはフロントドアを開けないとリアドアが開けられないなど、多少不便な面もあった

 RX-8自体も速さこそそれほどではなかったが、サスペンションをはじめクルマの質もなかなか高く、観音ドアには不便な面もあるにせよ「家族でも乗れるスポーツカー」として魅力的な存在だった。

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