最近ツイッターなどのSNSでクルマが関係した投稿を見ると、クルマのナンバープレートを隠さない画像の投稿が、特に若い人に増えているように感じる。当記事ではSNSへの投稿などの際にナンバープレートを隠さないことにより起きるリスクを考えてみた。
文/永田恵一
写真/AdobeStock(メイン写真=metamorworks@AdobeStock)
【画像ギャラリー】映えに気を取られる前に ネット上に車のナンバープレートを晒すのは是か否か
■ナンバープレートから車検証に記されている個人情報(住所、所有者など)が割り出される?
この点に関してはやましいことがない限り、現在は心配しなくていい。
というのも確かに2006年11月18日まではナンバープレートの情報だけで、陸運局で「登録事項等証明書」というものが申請でき、車検証の情報を入手できた。しかし2004年度から施行された個人情報保護法により、登録事項等証明書も2006年11月19日以降申請する際に必要なものや条件が大幅に厳しくなった。
具体的な登録事項等証明書を申請する際に必要なものや条件は
1.ナンバープレートの情報
2.車体番号の下7桁
3.運転免許証などによる申請者の本人確認
4.正当な申請理由
の4つだ。
そのためナンバープレートの情報が分かっても、2.の車体番号はボンネットが競技用のボンネットピンだけで閉まっているクルマのボンネットを開けでもしないでもない限りそうそう分からない。
4.は正当な理由なので安易なものでは申請できないため、ナンバープレートの情報だけで個人情報が入手されることは考えにくい(希望ナンバーの数字の並びから名字と名前が想像できることはあるにせよ)。
ただ、前述したやましいこととして、私有地への放置車両の所有者確認や裁判の際に「債務者の名義が必要」といった場合にはナンバープレートがなくても車体番号すべてが分かれば登録事項等証明書の申請は可能だ。
なお、軽自動車は登録事項等証明書を申請して悪用する際にそもそも知りたい所有者の氏名や住所が必要なので、登録事項等証明書の申請は登録車以上に難しい。
■それでもSNSなどでナンバープレートなどを隠さないのはやっぱり危険!

ナンバープレートだけで登録事項等証明書の申請は不可能といっても、SNSにナンバープレートが写ったマイカーの画像を投稿すればオーナーとクルマが一致したり、それが場所入りの投稿や目立つ建物と写った写真であれば、オーナーの行動や住まいの近くなら住まいの範囲が特定される可能性もゼロではない。
そうなるとSNSの投稿を引き金にストーカーやイタズラといった被害に遭うということがないとは言えない。といったことを考えると、やはり「ナンバープレートは隠した方が無難」と感じないだろうか。
それがマイカーとオーナー本人というなら自己責任の範囲と言えるが、もし他人のクルマで「何かあった」となると責任は取れないだろう。
それだけに特に他人のクルマの画像をSNSに投稿する際にはSNSへの投稿の了承を大前提にナンバーは隠し、周りの人が画像に写るようなら人にもモザイクをするくらい、万全なプライバシー対策を行いたい。
またそういった意味でさらに気をつけたいのがワンメイクレース車両に代表される公道走行可能なナンバー付競技車両である。
というのもナンバー付競技車両はナンバーを隠しても、ゼッケン番号があったら、競技のWebで結果などを調べればそれこそゼッケン番号からオーナーとは限らないにせよ簡単に競技者の名前が分かってしまうのだ(クルマに□.○○といった具合のローマ字で名前が書いてある場合もあるが)。
それだけに他人の競技車両の画像をSNSに投稿する際には本人了承とナンバープレートに加え、ゼッケン番号も隠すくらいの配慮をしたい。
ちなみにワンメイクレース車両に乗っている筆者の友人は「Webもあるのでゼッケン番号をそのままにするのは名前を貼って公道を走るようなものなので、普段乗りではゼッケン番号をガムテープで隠してます」というくらいである。
いずれにしても些細なことからでもどんな犯罪に巻き込まれるか分からない世の中だけに、クルマも含め個人情報の流出につながりそうなことは最大限隠すという努力をした方が無難に違いない。
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