■残念ながらホンダの思い描いたようにはならず…… 今後はさらに苦戦も
ライバルはトヨタの『アルファード』や日産の『エルグランド』であるが、現時点の販売実績ではエルグランドを大きく引き離しているものの、アルファードには大差をつけられている。
この違いはアルファードが高額所得のヤングからミドルまでの幅広いファミリー層、中小&大企業の法人、役員、高級官僚、政治家などのユーザーに愛用されているのに対して、オデッセイは高額所得のファミリー層が中心で代替え母体が限定されているといった商品力不足によるところが大きく影響している。
「本来、オデッセイが直接対抗するモデルはトヨタの『エスティマ』だった。マーケットニーズが頭打ちと判断されて生産中止になってしまったので、オデッセイにとってはマイナスのイメージが定着し、足かせになった側面もある」(首都圏ホンダカーズ営業担当者)と指摘する向きもある。
中小大企業法人役員、高級官僚、政治家は従来だと、トヨタの『クラウン』を多く愛用していたわけだが、こうしたユーザーが最近、数多くアルファードに代替えしている事情もある。
3列シートであり、後席で事務処理や意見交換などの仕事ができるという利便性もある。その代わりをオデッセイに求めるのは難しい。造りやステータス性も格段に違い、代替え母体の規模も大差があるので、両モデルを比べること自体はばかれる状態なのである。
それに2020年5月にはアルファードは従来のトヨペット店専売からトヨタ全系列店扱いに拡大され、余計には販売台数が増えて、今や月販1万台規模で売れている。それにアルファードは2022年中盤にもフルモデルチェンジし、ヴェルファイアを統合し『新型アルファード』に1本化される。このことがすでに周知の事実となっているので、最近ではますます売れ行きに勢いがついているのである。
首都圏にあるホンダカーズ店を回って、営業担当者の話を聞いて見ると「新型オデッセイはモデルとしての出来はいいと思うが、ビッグマイナーチェンジだから、あまり期待はしていない。各拠点で月に1台売れるかどうかの状況にある。アルファードとは車格やユーザーが異なるのであまり競合はしておらず直接のライバルとは思っていない」と冷静に受け止めている。
3月末までは残価設定クレジットで1.9%の特別低金利によるキャンペーン期間で比較的売りやすかったが、4月からは通常の3.5%に戻るので、20万円以上の負担増になるため、受注ピッチは頭打ちになる可能性がある。
首都圏にある某ホンダカーズ店で売れ筋の「ハイブリッド・アブソルートEX」(車両本体価格456万2000円)に有料色のプラチナホワイトパール、ナビ、ETC、ドライブレコーダー、コーティング、フロアマット、バイザーなど70万円強のオプション&付属品をつけて弾いて貰うと法定、法定外費用を含めて560万円強と出た。
値引き額は20万円が初回の提示額だった。納期は通常だと2021年5月だが、半導体製品の納期遅れの影響で7月頃までずれ込む可能性があるという。
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