オリンピックの思わぬ影響がっ! 今年は6月が新車の超買い時になる!?

■半導体不足による納期遅延の拡大によって新車販売に影響が出始めている

日産の新型ノートは多くの受注を抱えながら、半導体の不足によって減産を強いられ、納期が遅れている
日産の新型ノートは多くの受注を抱えながら、半導体の不足によって減産を強いられ、納期が遅れている

 仮にオリンピックの開催が中止になったとしても、基本的に6月がメインになる傾向に大きな変化はないだろう。すでに聖火リレーが始まっている。今後はよほどのことがない限り開催中止とならないだろうし、仮に中止になるとしても“ドタキャン”に近い状況になる可能性は高い。

 あえて、オリンピック開催を“不確定要素”と考えれば、それに左右されない計画を立てるのは“自己防衛”手段のひとつであろう。新型コロナウイルス感染拡大から1年以上が経過した今、いままでの日本政府の取り組みを見れば、自己防衛するのは当たり前ともいえる。

 オリンピックが開催中止になるということは、全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が激化していることが充分考えられるので、都道府県をまたいだ移動、つまりレジャーなどへの行動自粛要請が強化されるはず。そうなれば、多くの人は外出を控えることになるので、さらなる販売実績の上乗せが期待できる。

 ただ、世界的な半導体不足に加え、ルネサスエレクトロニクスの火災により、納期遅延のさらなる拡大という形で、新車販売には影響が出始めており、先行きは実に不透明になってきているので、現状では夏商戦に暗雲が漂っているといっていいだろう。

 こうなってくると、ルネサスエレクトロニクス火災の影響がさらに深刻になれば、オリンピックを開催するかしないかに関係なく、6月を待たずに販売促進活動が活発化し、値引きなどの購入条件が“荒れる”可能性も出てきている。

 火災の影響は現段階では読み切れないが、半導体の生産再開には最大4カ月かかるとの報道があるので、夏商戦にまったく影響がないというのはまず考えられない。とにかくゴールデンウイーク前後から状況を注視し、早めに動きだすことをお勧めしたい。

 7月は最近新車販売ではパワーダウンが目立っているし、8月は新車販売閑散期といってもいいのだが、このような時期に集客を高める方法がある。それは新型車の投入である。

■新型アクアの投入によってトヨタ系ディーラーの販促が活発になる!?

ベストカー編集部による新型アクアの予想CG。ヤリスの登場以降、販売が下降して次期型の存在も疑われていたが、現在では6月末頃の発売が濃厚との情報が入っている
ベストカー編集部による新型アクアの予想CG。ヤリスの登場以降、販売が下降して次期型の存在も疑われていたが、現在では6月末頃の発売が濃厚との情報が入っている

 筆者の聞いた話では、トヨタは6月末に新型アクアを発表・発売する予定とのこと(6月より遅れるという情報もあるが……)。「次期型はあるのか?」とまでいわれたアクアの新型については、いままでも情報が少ないだけに注目の的になるだろう。

 新型車の予約受注開始は遅くとも、正式発売の1カ月前からとなる。つまり、5月末からは、正式に予約受注報告を端末入力できることになりそうだ。おそらく、ゴールデンウイーク中に生産ラインを次期型に変更し、連休明けに生産が始まることになるだろう。

 そのタイミングで(もっと早いかも)、ティザー(予告)キャンペーンが積極的に展開される可能性も高い。つまり、遅くともゴールデンウイーク明けから新型アクアはトヨタ系ディーラーの“人寄せパンダ”として集客アップに貢献していくことになりそうだ。

 まずは現行型のアクアユーザーをメインに乗り換え促進をセールスマンは行なうのだが、その過程で「次期型は買う気がない」という現行型ユーザーには、ライズやルーミー、ヤリスクロス、ヤリスハイブリッドなどを勧めて販促活動を進めていくことになる。

 そのため、次期型アクアのバックオーダーの積み上げと同時に、夏商戦の販売実績の積み上げもできることになる。

 発売前は現行のアクアユーザーなど、トヨタ系ディーラーでの管理ユーザーへの乗り換えアプローチがメインとなるので、6月末の発売後は、トヨタ車以外に乗るユーザーへの本格的な販売促進活動が始まることになる。

次ページは : ■やはり新型車の存在はディーラーにとって効果的

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