■タッチディスプレイ採用は共通だが使い方に個性が
デジタル技術満載のコクピットデザインは、どちらも鮮度が高い。デジタルメーターを主体とし、サブモニターとして大画面タッチスクリーン式のインフォテイメントシステムが備わる点も共通している。
ただ2枚の液晶モニターの使い方には、ぞれぞれの個性が現れる。VWゴルフは、メーター液晶内にナビマップを含め、すべての情報が表示可能としたメーター中心の構成だが、プジョー308は、メーターとインフォテイメントシステムの表示を完全に独立化。
308のコクピットデザインは、最新世代の「i -Cookpit」に、新インフォテイメントシステム「i-Connect」を組み合わせたもの。一部グレードでは3D表示も可能なメーター内には、運転に必要な情報を厳選して提供。
ナビを含め、快適機能の情報は、タッチスクリーン側にすべて委ねる。情報密度を高めた分、その操作性を高めるために、ショートカットキー機能のサブモニターも備えるのも新しい。
情報密度の高さは、VWゴルフが秀でているが、新しさやワクワク感だとプジョー308がリードする。なおATシフトはいずれもコンパクトなレバー式のものをセンターコンソールに装備。これは車内空間を広く使うためのアイデアだが、流行的な面もあるだろう。
■ガソリンエンジンをメインとする多彩なパワーユニット
パワーユニットについては、いずれも多彩なラインナップを揃える。まずはメインとなるガソリンエンジン車について、触れておこう。
すでにゴルフ8は、初期の日本仕様として、マイルドハイブリッド仕様の1.0L 3気筒ターボの「1.0L eTSI」と1.5L 4気筒ターボの「1.5L eTSI」の2種類の導入を公表。
マイルドハイブリッドは、48Vベルト駆動式スタータージェネレーターを搭載するもので、エネルギー回生に加え、モーターアシストも行えるもの。これらにはDCTタイプの7速DSGが組み合わされる。
このほかにも、本国ラインナップは充実しており、新開発の2タイプの2.0Lクリーンディーゼルエンジンや2種類のプラグインハイブリッド、さらに天然ガス(CNG)とガソリンに対応したバイフューエルエンジンTGIも用意される。
さらに忘れてならないのが、GTIやRなどのハイパフォーマンスモデル用の3種類にも及ぶ2.0LのTSIエンジンの存在だ。ドイツ車らしい機能性の高いエンジンだけでなく、日本でも熱烈なファンを持つスポーツゴルフもしっかりと用意されていることはポイントが高い。もちろん、すべてエンジンはターボ仕様となる。
対するプジョー308は、メインストリームとなるエンジンは、現時点の情報だと非電動となるようだ。2種類の1.2Lの3気筒ガソリンターボエンジンと1.5Lの4気筒クリーンディーゼルターボを設定。いずれも6MTと8ATが用意されるが、日本仕様は全車8ATだろう。
もちろん、電動化も行われている。それが新308の目玉となる2種類のプラグインハイブリッドだ。
81kWのモーターと2種類の出力の異なるエンジンを組み合わせることで、キャラクターが分けられている。高性能仕様の「ハイブリッド225 e-EAT8」は、180ps(132kW)仕様のエンジンが組み合わされるので、なかなかパワフルな走りが楽しめそう。
しかし、ゴルフにはスポーツPHEVであるGTEが存在し、システム出力で180kW(245ps)を発揮する。どちらのほうが電動化を活かした新感覚のスポーティな走りを見せてくれるのかにも注目。
ただプジョーは、現在でもバランス重視のモデルラインナップとしており、GTIのような高性能モデルは失われている。将来的には、EVのGTIが復活するかもしれないが、現状は、スポーツを含め、多彩な選択の実現が期待できるゴルフに軍配を上げたい。
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