欧州日産の救世主「デュアリス」
2007年に国内デビューしたJ10型デュアリスは、欧州市場向けの戦略車として開発された欧州CセグメントクラスのクロスオーバーSUVだ。
ヨーロピアンテイストのある質実剛健としたエクステリアデザイン、比較的小柄なボディ、そして優れたNVH、ザックス製ダンパーを採用し、しっとりした走りが魅力のクルマだ。
欧州では「キャッシュカイ」という名でデビューしたJ10型は、狙い通り、発売直後から欧州で非常に高い評価を獲得した。販売も絶好調で、初代は24万台以上、2代目は37万台以上を販売し、日産の欧州でのプレゼンスを大きく上げることに貢献した。
2014年に2代目J11型が登場するも、国内では販売されず、デュアリスは、国内ではたった一代で姿を消すこととなった。欧州キャシュカイ、そして北米のローグスポーツはその後も販売されており、2021年2月には、3代目となるJ12型が発表、2021年内にデビューとなる見込みなど、その活躍は続いている。
デュアリスは、エクストレイルとプラットフォームを共有する兄弟車だ。エクストレイルとの顧客の食い合いになるよりも、国内は前型から評価の高かった「エクストレイル」一本に絞った方が、メーカー全体として販売台数増に貢献できる、と日産は考えたのであろう。
その目論見通り、エクストレイルのその後の販売は好調で、2018年には「4WD SUVの国内販売台数NO.1」にもなった。
しかし、ここ2~3年のSUVの隆盛を考えると、キックスとエクストレイルだけでは少々心細く、このデュアリスや、こちらも一代で姿を消したジュークに国内に残っていてほしかったな、と残念に思う。
卒業・終了は次へのスタート
「名車」といわれるクルマでも、販売台数がついてこなければ、諦めざるを得ない。現在も経営不振に苦しむ日産だが、国内販売立て直しをかけ出したノートe-POWERはまずまずの成果を上げ始めた。
そして国内版の新型エクストレイルも今秋登場と予想されている。さらには、新型フェアレディZも控えている。元気な日産がまたみられるよう、応援している。
コメント
コメントの使い方初代ラフェスタは日産らしく、ヨーロッパ的要素と日本受けする端正な印象があってよかったと思います。少なくともやぼったくはないかと。ただリアスタイルのテールランプ周りはデッドスペースがそこそこあって、もうちょっと発光面積あってもいいのでは?と思った記憶があります。二代目はプレマシーよりラインがそぎ落とされたデザインでしたね。