次世代マイクロモビリティの有力株!? 電動トゥクトゥクに日本の未来を見る!


 「100年に1度の転換期」と言われている昨今の自動車業界は、CASE(C/コネクテッド=通信、A/オートノマス=自動運転、S/シェアリング&サービス、E/エレクトリック=電動化)やMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス=移動というサービス)という言葉がキーワードになっている。

 そういった動きの中で、ラストワンマイル(公共交通機関がある地点までの足)などを担う存在として、ライトなモビリティへの注目も上昇中だ。

 そんな背景もあり2021年4月12日から22日までの間、電動トゥクトゥク(三輪車)を使った実証実験&試乗会が千葉県南房総市の「道の駅ちくら・潮風王国」で行われた。今回は、電動トゥクトゥクの試乗インプレッションに加え、ライトなモビリティの将来についても考えてみたい。

文/永田恵一
写真/永田恵一

【画像ギャラリー】電動自転車より安全、安心、快適!! 電動トゥクトゥク『KIRA』を写真でチェック!!


■EVベンチャーが生み出したEVトゥクトゥクの中身

 この実証実験&試乗会で使われた電動トゥクトゥクはEVベンチャー企業であるeMoBi(エモビ)が中国製のEVトゥクトゥクに手を加えた『KIRA』というモデルだ。

『トゥクトゥク』はタイで使われるオート三輪のタクシーのことで、もともとは日本から輸出したダイハツ『ミゼット』からはじまった

 ベースとなったEVトゥクトゥクは全長2010×全幅995×全高1600mmというボディサイズで、前席1人、後席2人(2人乗るのは厳しいが)の合計3人が乗車可能だ。

 性能は最高速度45km/h、航続距離は充電時間4時間で80kmとなる。車両自体は250ccまでのトライク(三輪バイク)と同じ扱いのため車検、車庫証明、ヘルメットは不要で、AT限定を含めた普通自動車免許があれば運転可能となっている。なおベースとなったEVトゥクトゥクの価格は71万5000円からである。

■気になるその走り! 実走行でチェック!!

 はじめに運転方法を書くと、電動トゥクトゥクにはパーキングブレーキはあるが、Pレンジはなく、シフトはDレンジと選ぶとメーター内のバックモニターも作動するRレンジだけだ。キーを捻ると起動状態となり、バーハンドルの右側はアクセルと前ブレーキ、左側は後ブレーキと、動かし方はスクーターとほぼ同じで、ウインカーに加えホーンやハザードランプも付く。

フロントシート右横にサイドブレーキレバーがみえる
メーターパネルはスピード、走行レンジ、走行距離、バッテリー残量表示とシンプル
バーハンドルの右側はアクセルと前輪ブレーキ。照明スイッチとホーン、DレンジとRレンジの切替スイッチがある
バーハンドルの左側は後輪ブレーキ。ウインカーに加えホーンやハザードランプも付く

 試乗の前に運転方法のレクチャーも兼ねた後席での同乗走行があったのだが、この日は天気がよく、快適な気温だったこともあり、同じコンディションでバイクに乗るのと同様に気持ちよかった。またKIRAにはドアに相当するものはないが、これは横風が強い日はドアがあると風が抜けず、横風の影響を受けやすくなるためなしにしているという。

「道の駅ちくら・潮風王国」で EVトゥクトゥク『KIRA』の試乗会、後席同乗走行の様子

 乗ってみると上り坂は厳しいが、平坦な道であればアクセルを開けた瞬間から最大トルクが出るEVだけに2人乗りでも加速はよく、すぐ最高速の45km/hに達し、交通量の少ないところで走る分には十分な動力性能だった。ブレーキに関しては前後ディスクなので効き自体は良好だが、四輪のEVやハイブリッドカーのような回生制動がないためアクセルオフによる減速感が弱く、前後のブレーキを使う頻度が多い点は要改良だ。

 そのほかは前輪が一輪なので段差はなるべく直角に通る、三輪なのでハンドル操作は丁寧にするといったバイク的な注意はあるが、前後のサスペンションの動きはまずまずで全体的にバイクやクルマという大きなものを動かすという、プリミティブ(原始的な)な楽しさもある乗り物だった。

 使い勝手では買い物したものや荷物を積みやすくするため、後席にカゴでも設置できるようになるとなお便利に使えるようになるだろう。

次ページは : ■電動トゥクトゥクの可能性はどうか!?

最新号

ベストカー最新号

幻の東京モーターショー2021 各メーカーの市販確定車の行方|ベストカー7月26日号

 最新の衝撃スクープから、実用企画まで網羅しているベストカー7月26日号は、いつも以上に内容が濃く充実しています。  東京モーターショー2021で公開されるはずだった市販確定車の最新情報には、今回初めて公開する情報満載です。  さらに、この…

カタログ