EVに寿命があるけれど 急速充電器に寿命はないのか? 自家用の最良の選択は何か!?


■普通充電でも100Vと200Vではまったく利便性が違う

 自宅で充電する環境を確保できるなら、これからはEVも選択肢に入ってくるだろう。一般家庭用の電力は交流100Vだと思われているが、実は配電盤の結線の仕方によって200Vを供給することもできるようになっている。ブレーカーを独立させれば、1つの契約でも単相の100Vと200Vの2種類の電圧が利用可能なのだ。この200V電力は、電力会社に申し込んで簡単な配線工事をしてもらえば利用することができる。

 この200Vを利用することにどんなメリットがあるかと言えば、8畳以上の部屋のエアコンであれば100V電源よりも200V電源のほうが効率がよく、電気代が安くなる。それとEVやプラグインハイブリッド車を自宅で充電する場合、200Vにすると100Vの半分以下の時間で満充電に達する。比較的バッテリー容量の大きい日産『リーフe+』でも7時間程度でほぼ蓄電ゼロ表示から満充電に達する。

 テスラ車の場合、200Vで専用のウォールコネクターを自宅に設置した場合、10時間充電しても満充電にはならないが、そもそも毎日走って使い切れるバッテリー容量ではないから、長距離走行する時には途中で急速充電器を使えばいいだけだ。

テスラ専用の200Vウォールコネクター。テスラのオーナーとなれば、設置は必須。他社のEVに乗り換えたり、老朽化すれば交換となるのだろうが、その費用もEVに乗る為の経費として考慮する必要がある

 1時間の充電で40kmを走行できるだけの電力を充電できるのだから、自宅駐車場で保管中に充電するのであれば十分な環境だ。自宅での充電は充電器ではなく単にコンセントとケーブルを使うだけなので、設置費用はそれほど嵩まないし、故障(EV側の故障は別だ)する可能性もほとんどない。

 また大容量バッテリーを搭載したEVを購入したいオーナーの中には、自宅に急速充電器を設置したい、と思う人もいるだろう。しかし急速充電器を自宅に設置するのはちょっと現実的ではない。

 確かに急速充電器を自宅に設置できたら便利だと思うだろうが、デメリットも少なくないからだ。1つは日常的な急速充電の多用は、バッテリーの寿命を縮めることになる。自宅に充電設備を持てないなら仕方ないが、自宅でゆっくり充電できる環境があるのなら、普通充電のほうがバッテリーに優しく長持ちする。

 急速充電器自体は100万円を切るモノも登場しており、設置費用も含めて補助金支給の対象になるが、単相200Vでは富裕充電の200Vより少し速くなる程度で、最低でも三相200Vの契約をする必要がある。 これは基本料金も一般的な従量電灯の契約より高い(その分、従量部分は安いが)ため、契約も二口になって電気料金は高くなる。そして冒頭のとおり、10年程度でクルマだけでなく、急速充電器も買い替えることになってしまうのだ。

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